サイエンスクリップ 私たちの記憶システムは10分間の軽い運動で活性化する 2019.04.08 藤井友紀子 / サイエンスライター 私たちは、日々身の回りで起きるさまざまな出来事を脳で整理し、細かく記憶している。そのおかげで、朝起きたときから混乱することなく生活することができる。少し違う環境下におかれたときでも、記憶をもとに違いを判断し、適応しているのだ。記憶はまさに私たちが生活するための大切な基盤となっている。その記憶力を手軽にアップさせられないものかと思ったことはないだろうか。それができるらしいのだ。10分程度の簡単な運動で脳が刺激され記憶力がアップするという研究成果を、筑波大学の征矢英昭(そや ひであき)教授らの共同研究グループがまとめた。 海馬を中心とした記憶システムのはたらき 記憶は長期記憶と短期記憶に分けられる。自分が経験した思い出などの「エピソード記憶」や学習で得た知識、運動