原子力規制委員会は十日の定例会合で、九州電力川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県)が、原発の新しい規制基準を満たしているとの審査結果を正式に決めた。新基準に適合したと認められる初の原発となるが、火山の危険性をめぐる審査で、専門家から多数の批判が出たのに十分検討せず、住民を守るための避難計画も議論しなかった。 九電は新基準が施行された昨年七月八日、川内原発の再稼働審査を申請した。耐震設計の基準になる地震の揺れの規模を当初より一割程度大きく設定し、想定する津波の高さも約四メートルから六メートルに引き上げた。規制委の意に沿う変更で、他の原発より優先的に審査されてきた。