いま振り返ると必然的な流れだったように思える「日本サッカーリーグ(1965〜92)」から「Jリーグ(1992〜)」への移行。しかし実際には決してスムーズではなかった。考え方、環境、施設。両者の間で、あらゆるものに大きな隔たりがあったからだ。 「プロリーグ設立準備室」事務局長からJリーグの初代事務局長、広報室長、理事、常務理事などの立場で2012年3月までリーグ運営に当たってきた佐々木一樹さんに聞く「Jリーグ20年の裏面史」の第2回は、1992年、Jリーグ最初の公式戦となった「ヤマザキナビスコカップ」開幕までの裏話をお届けする。 ■大半が企業チームだった日本リーグ時代 「プロサッカーリーグ」がスタートすると決まったとき、すでに日本サッカーリーグ(JSL)で活躍していた選手のすべてが快哉を叫んだわけではなかった。 当時のJSLは1部12チーム、2部16チーム。28チーム中24が「企業チーム