現在、600万人の高齢者が一人暮らしで、そのうち半数が生活保護を受給しているという衝撃の内容が綴られている新書『下流老人』が話題だが、額に汗して働く現役サラリーマンが高齢者になるころには、今よりももっとひどい「老後総崩壊」時代が待ち構えている。先日、世間を賑わせた「新幹線放火事件」も記憶に新しいが、生活苦を訴え焼身自殺をした林崎容疑者(71歳)は「下流老人」の象徴的な存在とも言える。 今の高齢者世代より未婚率が高く実質賃金が低い現役サラリーマン世代(30~40代)は、「年収400万円でも生活保護レベルになる」「9割が下流老人化する」とも言われている。下流ブームから10年、新たな下流の波が我々をのみ込み、気がつけば「新型下流社会」がすでに到来していたのだ。 では、巷の「下流老人」たちはどんな生活を強いられているのか。ここではひとつの実例を紹介しよう。 ◆月収も貯金も10万円以下で、頼れる身内