総合生命科学部 生命システム学科 横山 謙 教授 分子機械の仕組みに迫る 私たちは一日に2000キロカロリーほどのエネルギーを食事から摂取しています。食べ物から取り入れたエネルギーは、体内で形を変えて、生命活動を維持します。細胞内でのエネルギー通貨といわれるのが、私たちの身体で、毎日約60㎏も作られ、消費されるといわれるATP(アデノシン三リン酸)です。食物のエネルギーは、ATPを合成するために消費されて、一旦ATPに蓄えられます。ATPは筋肉の収縮から脳の神経細胞の活動、タンパク質の合成といった体内でエネルギーを必要とする現象すべてで必要です。“エネルギー”をキーワードに、エネルギー代謝の鍵となるATPを作り出すATP合成酵素の研究を主にされている横山謙先生にお話しいただきました。 一本の回転棒で連結された2つの回転モーター 「生命のエネルギー通貨」ともいわれるATPは、生体内でエネルギ