全国で最も海苔(のり)を買っているのは千葉市民――。 そんな話を耳にした。けれども千葉市の海といえば港や工場、人工の砂浜……。海苔をふんだんに使う特産品や飲食店があるとも聞いたことがない。千葉市民はどうしてそんなに海苔を買うの? 「千葉市は2011年、12年と、海苔の購入額が全国1位です」。市の統計課で確かめたが、それは事実のようだ。県庁所在地などを対象にした総務省の家計調査で、2人以上の世帯あたりの年間支出額は千葉市が4378円で1位。2位の川崎市(3443円)を大きく引き離している。 ただ、12年の調査では、海苔を使う「おにぎり・その他」は10位、「すし(外食)」は13位とそれほど上位ではなく、市も「なぜ購入額が1位なのかはわからない」とのことだ。 そこで、地元の海苔店「本田商店」(中央区栄町)を訪ねてみた。店頭には「海苔日本一 千葉市」ののぼりが並び、商品にも日本一を示すシールが貼ら