人口は2050年に90億人に達すると予測されている。そのとき、私たちは人間らしい食を満喫することができるのだろうか。大地や海の恵みは有限だ。食料を適切に行き渡らせることができないなら、持続可能な農業や牧畜、水産の取り組みを前に進めなければいけない。場所を選ばず食料をつくり、地産地消に持ち込めるかが人類を救う。 アトランティックサーモンの閉鎖循環式陸上養殖システムの施設イメージパース。三重県津市の工業団地に建設中で2023年に完成すれば年産1万トンの新鮮なサーモンを国内市場に供給できる サーモンは「山で取る」時代がくる──。荒唐無稽にも聞こえる話を実現すべく奮闘する企業がある。すしネタなどで日本でもなじみのアトランティックサーモンの陸上養殖を手掛けるピュアサーモングループ。シンガポールの投資ファンドが設立した同社の日本法人、ソウルオブジャパン(東京・渋谷)が今夏、三重県津市で陸上養殖システム