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ブックマーク / toyokeizai.net (88)

  • ドイツには「まちづくり」という言葉などない

    ドイツの10万人都市での取材・観察をとおして執筆活動を行っている私は、日の大学・自治体などから講演を依頼されることがある。そこでよくいただくのが「ドイツのまちづくりについて」というお題だ。 私は、このお題にいつも軽い違和感を覚える。というのも、直訳できるドイツ語が思いつかないからだ。換言すれば、「まちづくり」とは日独自の用語なのだ。学術的にも、ドイツでは日のコミュニティや都市計画に焦点を当てた研究の中で、日特有の用語として扱われている。 そもそも、日ではいつからこの言葉が使われるようになったのだろうか。調べてみると、専門家の間では随分前から使われていて、文献ベースでは1947年にすでに見られる。使われる頻度が増え始めたのは、後述するように1990年代からだろう。私が2000年代半ばにドイツから一時帰国したとき、NPO関係者との話の中で「まちづくり系の人たち」という言葉が耳に入って

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  • 人手不足で疲弊、もう「外食・小売り」は限界だ

    牛丼チェーンのすき家には、年末年始に多くの客が押し寄せた。変則営業の飲店が多い中、24時間営業を貫いたからだ。その間は通常の時給に100〜400円を上乗せして、何とか人手を集めた。 3大都市圏のアルバイト・パート募集時の平均時給は、1000円を突破(2016年11月時点)。求人情報大手のリクルートジョブズが2006年に調査を開始して以来、初の大台に乗った。 生産年齢人口が減少の一途をたどる中、景気もリーマンショック後の最悪期を脱し、労働市場は逼迫。特に労働力をパートやアルバイトに頼る外・小売業界の人手不足は深刻だ。 主婦のパートが特に足りない すき家では全国で4万人超のパート・アルバイトが働いている。うち半数を学生が占めているが、運営側がより求めているのは昼間に働ける主婦だ。 主婦は家庭の事情などで働く際の制約も多い。すき家は主婦のパート・アルバイトを主な対象として、勤務する地域や店舗

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  • 地方は儲からない「イベント地獄」で疲弊する

    2017年も読者の皆さんは、自治体や商工会議所など、さまざまな会議の場で「今年は新たに何をするか」「4月からの新年度は何をするか」ということをテーマにしているかもしれません。しかし、実は「何をするか」ばかりが議題に上がっている段階で、ヤバイのです。それは事業が失敗する「予兆」といっても、いいかもしれません。 どういうことでしょうか。そもそも衰退している地域ではヒト・モノ・カネが慢性的に不足しています。その中でも、一番の問題は、「人手」です。モノやカネは国などが支援したとしても、結局地元で真剣に事業に取り組む「人」は、簡単に補えません。 そうした状況にもかかわらず、自治体や商店街などのトップ層は「活性化のためだ」という名目で、新たに事業をプラスすることばかり考えがちです。「過去にやってきたことを減らす」という発想がないのです。 その結果、午前と午後で、違う組織の違う会議なのに、参加しているメ

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  • 「PDCAを回せない人」にありがちな甘い計画

    慎重さと大胆さのバランスが肝になる計画 PDCAサイクルの最初は計画(Plan)だ。 私の感覚ではPDCAで失敗する人の50%はこの計画フェーズで失敗している。失敗する原因は大きく分けて2つある。慎重になりすぎるか、雑になりすぎるかだ。このあたりは人の性格や企業文化などで違いがよく出る。 石橋を叩いてなお、ためらってしまうような慎重派なら、計画と聞くだけで体がこわばる。「計画を立てるなら絶対に間違ってはならない」と思うからだ。 もしこれが会社で、新規事業を検討している経営者が慎重派だと、おそらく社員たちは延々と市場調査に駆り出されることになるだろう。その間にも市場はどんどん変化するというのにである。そして毎月の会議で議題に取り上げられては「もう少し様子を見よう」というお決まりの文句が発せられることになる。こうしたリーダーがいる組織はPDCAサイクルが回りにくい。 かたや思いつきで動く人が

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  • 賞与1円で報復、「労働組合潰し」の酷い実態

    政府主導で「働き方改革」が叫ばれ、長時間労働の是正が求められている中、前近代的ともいえる「不当労働行為」が繰り返されている。不当労働行為とは、労働組合に入っていることを理由に遠隔地に左遷・解雇したり、組合との団体交渉に応じなかったり、組合からの脱退を促したりすることだ。 SEだった有村有氏(仮名)は、結婚を機に転職を希望。「年収1000万円も」とうたうチラシを見て、「アリさんマーク」で有名な引っ越し専業大手・引越社関東に入社した。 100万円だった賞与は1円に 営業成績は優秀だったが、営業車で交通事故を起こすと、会社に弁償(48万円)を求められた。「自分に弁償する義務はあるのか」。そう悩んだ有村氏だが、会社に労働組合はなく、相談相手もいない。そこで2015年3月、雑誌で知った社外の労働組合「プレカリアートユニオン」に加入。同組合を通じて会社に団体交渉を申し出た。 すると会社は、有村氏を引っ

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  • 「物知りなだけの50代」に今や何の価値もない

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    「物知りなだけの50代」に今や何の価値もない
  • 全面禁煙は経済損失と考える人の残念な論理

    昨年来、厚生労働省を中心に進められている健康増進法改正案の概要に、複数の業界団体が反対声明を出していることが話題になっている。この改正案では飲店での禁煙化が盛り込まれており、違反した場合は飲店、喫煙者ともに罰せられる。同法案は1月20日招集の通常国会を通過すれば、今年前半にも施行される可能性があり、それに先んじての動きだ。 健康増進法改正案では、これまで努力義務であった小中学校や官公庁、飲店、駅・空港などでの禁煙が義務化され、罰則についても科料が加えられることとなった。なお、飲店と交通拠点に関しては、いずれも喫煙室の設置が認められている。 公共の場における喫煙に関しては、受動喫煙の危険性といった直接的な健康被害ももちろん大きなポイントだ。子どもが立ち入る可能性が高い場所ならばなおさらだが、問題は受動喫煙だけではない。 直接の健康被害ではないため、“健康増進”という部分からは離れるが

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  • 中高生には「部活」とは違う選択肢が必要だ

    の多くの中高生が、青春時代を費やす部活動。読者の多くも、学生時代は部活動(部活)にいそしんでいたことだろう。2013年の「運動部活動の在り方に関する調査研究協力者会議」の発表によると、中学校では約65%、高校では約42%の生徒が部活に参加している。 新中学校学習指導要領、新高等学校学習指導要領では、部活は「スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環」と位置づけられている。 どうやら部活は、教育上、大きな役割を果たしていると認識されているようだ。 「村ルール」がまかり通ってしまう空間 最近では、部活の問題点が取りざたされることも増えている。ところが、「部活をどうすべきか」ばかり議論され、「気軽に参加できる部活以外の課外活動の場」については、あまり触れられていない。 基的に部活は学校単位の活動であり、生徒が決められるのは、

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  • 153455

    2017年の正月、40代の日人女性の友達からの年賀状が届いた。彼女とは長い付き合いで、毎年フランスへ年賀状を送ってくれる。新年のあいさつの横には、何年も変わらない、悲願のメッセージが書き添えられていた。「今年こそ、結婚できますように!」。そのメッセージはますます悲しく聞こえてきた。 私は2009年まで日の高校のフランス語教師として、日に住んでいた経験があるが、住んでいた頃、日では「結婚」というテーマがどれくらい重大なことか、十分に理解していた。当時、私は20代だったから、周りの日女性の友達とお茶することがよくあったが、「結婚」が話題になることが多かったからだ。 「彼氏いるの?」「どんな人がタイプ?」「結婚は何歳までにしたい?」というのがお決まりの質問だ。私もよくされたが「これが日文化なんだろうな」と割り切っていたので、気にせずいつも素直に答えていた。 「何歳までに結婚したい?」

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  • 「日本女性の生産性の低さ」には原因がある

    最初に、アトキンソン氏が提起した、日女性が潜在能力を生かせずにいる問題について、私自身の経験をお伝えします。 それもこれも、環境により作られるもの 大学を卒業した20年前、希望する出版業界で記者の仕事についたものの、私はあまりやる気のある社員ではありませんでした。自分は能力が低いから、すぐクビになると思っていました。買ってもいないのに、宝くじが当たったら、夏休み明けに出社しなくていいのに、と夢想するようなダメ社員でした。 それなのに20年近くも、子どもを2人持った後も転職や独立を経験しながら働き続けているのは、出産前に仕事の面白さを十二分に味わったからです。最初のうち、私の能力に照らして仕事は大変でした。男性の同期と同じ難度のアサインメントがあり、同じように出張し、原稿の出来が悪ければ、同じように夜遅くまで残って書き直しました。 今、私が仕事を続けているのは、私が「女だから」と手加減しな

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  • 「恋愛至上主義」になる教育困難校の生徒たち

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  • なぜ日本は「女性の生産性」が極端に低いのか

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  • キャリア女が「主夫」を受容できない根本理由

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  • 「働く既婚女性」が不倫にハマる超単純な理由

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  • 日本人の「サムライ型」労働は、もはや限界だ

    大手広告代理店の電通に勤めていた高橋まつりさん(当時24歳)が過労自殺したニュースは大きな注目を集め、国内でも広く報じられたが、その反響は海外にも及んでいる。筆者が暮らしているドイツの有力紙でも、電通の過労自殺問題が取り上げられていた。10月24日付けのフランクフルター・アルゲマイネ紙では、日の労働環境を「成果ではなく、いまだに何時間働いたかによって評価される」と評している。10月17日付けの南ドイツ新聞の記事では、「過労による死が死因として認められるのは日のみである」とも指摘されていた。 現代の会社と、かつての「藩」は似ている ドイツから見ると、日の会社に勤める労働者は、まるで藩に仕える武士のようにもみえる。現代の「会社」も、「藩」に置き換えて考えると、日の労働者を追い詰める多くの論理を説明できる。上からの命令は何よりも優先、言い訳はしてはいけない、忍耐こそが美徳である、といった

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  • コンビニ店長、「学生バイト搾取」の巧妙手口

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  • 結婚とは「一瞬が永遠に続く」という妄想だ

    結婚、出産、仕事…女の長い人生、どう勝負するか 「人はなぜ不倫するのか」と、先日、取材で聞かれました。質問の主は、不倫ジャーナリズム界の女王・亀山早苗さん。だから、こう答えました。「人はなぜ不倫せずにいられるのか」と。私は、不倫しないでいられる、ということのほうが理解できない。 以前、ある地方都市にいったら、結婚式場のポスターが貼ってあって、花嫁姿の写真に、こんなコピーがついてました。「最後の恋がはじまる」。それを見て、ウソばっかり、と思ったの。たとえば20代で結婚を決めたとして、これから人生100年になるとしたら、その後、70〜80年、あたらしい恋愛を封印するなんて考えにくいですよね。 上野に言わせてもらえば、結婚の定義とは、以下のとおりです。「自分の身体の性的使用権を、特定の唯一の異性に、生涯にわたって、排他的に譲渡する契約のこと」。 いわば、これから他の人と恋愛をしないということを、

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  • 「できる女」ほど日本ではモテない根本理由

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  • 日本人にはまず作れない「東京ガイド」の中身

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  • 東京で道路よりも鉄道が発達した3つの理由

    東京は不思議な都市だ。世界屈指の巨大都市にまで発展したのに、鉄道と自動車交通の状況に大きなギャップがあるのだ。東京が「電車で移動するのはきわめて便利なのに、クルマで移動するにはあまりにも不便」というアンバランスな街であることは、都内で自動車を運転したことがある人ならおわかりだろう。 そう、東京はドライバー泣かせの都市なのだ。この街の道路網は覚えにくく、見通しが悪いT字路やクランク、一方通行、右折禁止の交差点のように、まるで自動車交通を拒むかのような構造や規則が多数存在する。 いっぽう、東京ほど電車が便利な都市は日にはもちろんないし、海外にもないだろう。そのことは、国内外の各都市と東京の鉄道路線図を見くらべれば一目瞭然だ。東京の鉄道網は市街地のあらゆる場所をカバーしており、移動手段として便利である反面、鉄道路線図をJR・地下鉄・民鉄各社で分けないとわかりにくいほど範囲が広く、複雑で、密度が

    東京で道路よりも鉄道が発達した3つの理由