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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (8)

  • ■[経済]岩田規久男『インフレとデフレ』

    1990年の8月に刊行されたが22年近くを経て加筆され再版された。僕も90年版を手に取ったとき、まだ大学院に入る前であった。そのとき今回の2012年版のまえがきにもあるように、当時はまだインフレが問題だった。そのため大学院で僕が始めていたデフレーションの研究の中で書はあまり重要なものとは映らなかった。だが、今回の2012年版は、この20年近くにおよぶデフレーションの経験をフルに活用し、さらに予想(期待)を重視する金融政策のフレーム(つまりインフレ目標)の意義をより深く解説することで、インフレとデフレの題名にふさわしい決定版になったといえる。 日にとってデフレの経験は不幸だが、書がデフレの側面を強化したことは、このにとっての「幸運」だといえる。おそらくこれから長い間、書が経済の貨幣的な側面を考えるときに古典としての地位を占めるのは間違いない。岩田先生の書改訂にかけた情熱はすばら

    ■[経済]岩田規久男『インフレとデフレ』
  • 蟹沢孝夫『ブラック企業、世にはばかる』 - Economics Lovers Live

    「内定切り」「試用期間切り」や入社前の説明とは比較にならないほどの過酷な労働やまた大量採用サバイバル(新卒で大量採用して一年後ある一定数残存すればいいという人事方針=過酷な労働環境)など、 いわゆる「ブラック企業」、「グレー企業」という存在はある。 書では「肉系ブラック職場「草系ブラック職場」「グレーカラー職場」といくつかの職場の労働環境を区別して、それらが働く人の価値を毀損しているとし、その対策として解雇規制などの雇用の流動化を提唱している。著者の経験にもとづくいくつかのブラック企業の例は参考になる。 よく僕も思うのだが、日の企業はなぜデータをちゃんと持っているにもかかわらず、一年後、三年後などの離職率、平均在職年数、男女比の定着率などの基データを学生や世間に対してちゃんと示さないのだろうか? 書でもこの点は指摘されている。例えば東洋経済からでている『就職四季報』にはその種の

    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2010/06/15
    「解雇規制を緩和するまえに、企業は雇用についての情報をだせ」というのは妥当なところだろう。雇用に関する情報の非対称性の緩和、労働法を守らない企業の摘発が先だ。
  • 日本のブログ力:経済問題(翻訳篇)ベスト100+α - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    いいかげんな一部分の翻訳で人をミスリードする人たちが日では多くの読者を集めている。しかし注意深い人=騙されない人たちは、日のブログで海外の情報を適確に訳し紹介しているものが多数あるのを知っている。以下ではそういうブログやHPから翻訳(なるべく全訳)を中心に収集してみた。 ●はぜひ読んでおくべきエントリーを示す。ここだけ読めば日語のネットで手に入る最上の情報を得ることができるだろう。 ●マクロ経済政策の再検討〜より高いインフレ目標値の検討〜 http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20100215/p1 ●勝手な解釈より人の説明 http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20100215#p2 長期フィリップス曲線は垂直ではない!? http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20100215#p1

    日本のブログ力:経済問題(翻訳篇)ベスト100+α - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 過去に僕もその三択問題でプッツンしたことありました

    飯田泰之ブログhttp://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090201 すると格差と雇用の問題への対応には3つの選択肢しかないことがわかる. (1)だれからも奪わないしだれも救わない (2)だれかから奪ってだれかを救う そして, (3)経済成長 僕が常々残念だと思っているのは,低所得者層の生活保障の必要性を感じている論者の多くが(3)の選択肢に冷淡なところです.それどころか経済成長が現在の低所得者層の苦しい生活の原因だなんて思っている人までいる.経済成長と相対的な格差の関係については議論が残りますが*4,絶対的な貧困への唯一にして最善の処方箋は経済成長なのです. にもかかわらず,貧困・格差論の人は(3)を推さない. この貧困・格差論の人たちの(3)への軽視ないし無視は、一昨年に、東京河上会で、岩田正美氏や橋健二氏らとのフォーラムをやったときに、彼女・彼らの

    過去に僕もその三択問題でプッツンしたことありました
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/07/16
    経済成長が続いた90年代後半にも、世界の飢餓人口は増加し続けたんだよね。もちろん、この不況と食料価格の高騰で飢餓人口がドンと増えているのも事実。成長は必要条件だろうけど、十分条件ではなさそうな
  • 書評:『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』

    『週刊東洋経済』に掲載された書評の草稿 日の将来に暗い翳をおとしている少子高齢化問題。その対策をどうするべきか。書は、出生率の上昇に貢献したフランスの少子化対策をわかりやすく解説した良書である。著者自身の現地での子育て経験や、またフランス人家族へのインタビューを通して、フランスの家族政策や社会保障制度の仕組みを、具体的に知ることができて面白い。 フランスでは子育ては人生の愉しみなのに、なぜ日では子育てが人生の苦労になりやすいのか。書を読むと、それはフランス人と日人の人生観の違いというよりも、政府の制度設計の仕組みの違いに決定的に依存していることがわかる。例えば所得格差、男女間格差、長時間労働などを放置すれば、出生率が低下するのはあたりまえだと著者はいう。 確かに日ではこの三つの問題を政府はうまく対処できていない。例えば、フランスの男性がいかに子育てに積極的であるかが紹介されてい

    書評:『フランスの子育てが、日本よりも10倍楽な理由』
  • 露骨な富裕層優遇よりも政府紙幣が嫌われる理由とは?

    『週刊東洋経済』を一日早く読んでいるんだけど、今回の特集は「土壇場企業」。さて注目すべき記事は四つで、ひとつはミニ特集だけど児童の貧困などの身近な問題ルポ。河野龍太郎氏の経済を見る眼は日はもう長期大停滞に入った、というもの(僕は基的にずっと入っていると思ったんだけど)、ケネス・ロゴフの「そんなに悲観的なのもいかがなものか」という話、そしてライターの福永宏さんの政府紙幣反対論になる。 福永さんの記事の詳細は読んでいただくことにして、政府紙幣の反対の根拠がこの記事には総ざらえであり、基的に過去の昭和恐慌期のリフレ政策の思想をそのまま継承している政府紙幣発行にこれほど拒否とは、知人の福永さんが書いたものとはいえ、東洋経済としていかがなものかと小一時間。 この福永さんの反対論の根拠も要するに、政府紙幣の発行が、法律で禁止されている日銀行の国債引き受けと同じである、というものであり、それが禁

    露骨な富裕層優遇よりも政府紙幣が嫌われる理由とは?
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/02/15
    政府紙幣をゲゼルのスタンプ貨幣でやりましょう/無利子非課税免国債って何の冗談だゴラァ。年寄りの金持ちにカネを使わせんかい!
  • 現代思想の最前線(東浩紀と辛坊治郎)から | 2009-02-08 - Economics Lovers Live

    東浩紀の渦状言論 はてな避難版 http://d.hatena.ne.jp/hazuma/20090207/1233992298 というわけでこれ以上国債は発行できない、しかし金は欲しい(選挙で勝つために金はばらまきたい)、だから自分たちで紙幣を作ろうって、それがまともな国家のやることでしょうか。定額給付金もバカげてますが、最近の日はいよいよ正気を失ってきた気がしてならない。 東氏と同じくらい「現代思想の最前線」に立つのがすなふきんさんのところhttp://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20090208/1234089307で紹介されていた辛坊治郎氏の発言。 しまいに「そんなことやってたら国民は税金も払わないでいいと思うようになる。モラルはどうなるんだモラルは!」なんて半切れ状態。そして最後は政府は信用できない、そんな政府に紙幣発行権与えるなんてとんでもない この

    現代思想の最前線(東浩紀と辛坊治郎)から | 2009-02-08 - Economics Lovers Live
    tikani_nemuru_M
    tikani_nemuru_M 2009/02/09
    貨幣論を読み直す際の参考
  • 2008年下半期経済書ベスト4+1 - Economics Lovers Live

    そろそろ年間ベスト選出とかの時期が近いのですよ。一年というのは当に早いですねえ。まあ、まだ二ヶ月ほぼ丸々残って超気が早いですが 笑。 上半期はこのたちをおススメしましたとさ →これhttp://d.hatena.ne.jp/tanakahidetomi/20080625#p3 下半期は個人的に何度も何度も読んだをあげることができ、その意味では当たり年でした。つまりネタですね 笑。専門的なものは無視して一般的なものを五冊とりあえず選びました(順位には意味なしです)。これに出るぞ〜と噂されている知人たちのがきっとにぎわせてくれるでしょう。 1 岩田規久男『景気ってなんだろう』 これは書評を書きましたのでご参考ください。しかしためになりますよ。とりあえず景気問題についてはこれ一冊で十分でしょう。 景気ってなんだろう (ちくまプリマー新書) 作者: 岩田規久男出版社/メーカー: 筑摩書房

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