今年5月14日、在イスラエル米国大使館がエルサレムへと移転され、米国の特使として、ドナルド・トランプ大統領の娘イヴァンカ・トランプ氏が移転の式典で笑顔を振りまいていた、ちょうど同じ日のことだった。 パレスチナ自治区ガザは地獄絵図のような状況となっていた。イスラエルによるパレスチナ占領および、米国大使館のエルサレム移転に抗議する人々に対して、イスラエル軍が情け容赦なく銃弾を浴びせたのだ。14日には、イスラエル軍の銃撃によってたった1日で58人が死亡、2700人以上が負傷するという大惨事となった(ガザ保健省、ロイター)。同時期に現地を取材していた筆者が、「虐殺」の現場をリポートする。 取材中、狙撃兵が軍用ジープから降りて来て銃を構えた。その直後、銃口が光り、こちらに銃弾が飛んでくる。目の前で、デモ参加者が次々と倒れていく。イスラエル軍の狙撃手は遠くから警告も何もなく突然に発砲してくる。誰が撃た