土手を覆う草花の一部を刈り取り、新たに植えられた改良芝(奥)=福岡県久留米市菜の花が咲くと堤防が弱まる? 【上遠野郷】川沿いの土手を黄色に染める菜の花。見た目は美しいが、実は堤防の強度を落とす「天敵」だという。ミミズが集まり、それを目当てにモグラも来て、地中が穴だらけになるからだ。国土交通省九州地方整備局は、菜の花などが生えにくい芝生に植え替えを始めた。春の風物詩は消えてしまうのか。 4月上旬、福岡県久留米市の筑後川の土手。斜面を覆う黄色や白の草花が途切れ、約700メートルにわたって真新しい芝生が張られていた。数十メートルごとに8品種の芝が植えられ、遠目には、しま模様に見える。 「アブラナ科の植物は花はきれいですが、実は土手の天敵」。九州地方整備局河川管理課の竹下真治課長補佐は話す。菜の花が枯れた後の腐った根をミミズが好み、それを餌とするモグラが増える。巣穴が広がって地中に空洞が増え