数量やサイズがそろわずに安く取引されたり、知名度がなく捨てられたりしてきた「未利用魚」を商品に変えようと、漁業関係者らが動いている。地元でもあまり口にしない魚を売り込むために、産地で消費する「地産地消」や、「加工」の工夫に力を注ぐ。 ●料理次第● 三重県尾鷲市の魚市場。早朝、競りが始まると、高値で取引される天然ブリやカツオの前に仲買人が群がる。一方、市場の片隅では、計量すらされない小サバが薫製加工業者に引き取られていた。 小サバや小型のアオアジ、ヒラアジなどは取引されても1キロあたり7〜30円。小型のサメ、細長くて小骨が多いダツ、湾内などの近海に数多く生息するベラは仲買人に見向きもされない。いずれも未利用魚として扱われる。尾鷲市周辺で水揚げされる魚介類は約250種だが、商品として取引されるのは100種前後にとどまるという。 「売れない魚も、酢みそであえたり、じっくり煮込んだりすれば