福井県越前町の沖合約30キロ(水深約240メートル)の海底に、海上保安庁の記録にも残っていない謎の沈没船があることが、県水産試験場の超音波調査で分かった。沈没船は全長約70メートル、マスト高約16メートルに及び、形状などから近代以降のものとみられる。敦賀海上保安部は「この海域で近年、大きな船が沈んだという事故などの情報は把握していない」としている。 同保安部は「使わなくなった船を『沈船魚礁』として沈めることはある」とするが、その場合は沿岸に沈めるケースが多いという。「30キロも沖に沈めるというのは、あまり聞いたことがない」と話し、県水産課も同様の見解を示している。 沈没船が見つかったのは、越前岬の西南西28・5キロの地点。地元の漁師らが「シンヤマ」と呼ぶ越前がにの好漁場となっている海域だ。海上保安庁の「海洋台帳」では、周囲に起伏のないなだらかな海底となっているが、越前町漁協の漁師たちの