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ブックマーク / blog.livedoor.jp/route408 (22)

  • 折り紙分子模型その3 : 有機化学美術館・分館

    7月8 折り紙分子模型その3 さとうです。久しぶりにブログの方を。 以前、折り紙で作る分子模型(sp2型・sp3型)を考案し、発表しました。ただsp2型の方はちょっと折り方・組み方が面倒で、大きなものは作りにくく、また分解も面倒という難点がありました。 そこで、もうちょっと折りやすく組みやすいものを新たに考案し、昨年行われた日表面真空学会の市民講座で紹介しました。このタイプをまだ一般に公開していなかったことを思い出したので、ここでアップしてみたいと思います。 アデニンの分子模型 こちらのタイプは、組みやすくバラしやすいため、物の分子模型のように気軽にいろいろな分子を組み、他の分子に組み直すことができる点で優れています。ただし強度は少々落ちますので、長期間飾っておくなら糊付けの必要があります。 ここではまず、ホルムアルデヒドの分子模型を作ってみましょう。多くの分子模型で採用されているカラ

    折り紙分子模型その3 : 有機化学美術館・分館
  • オリンピック分子集合体登場! : 有機化学美術館・分館

    7月26 オリンピック分子集合体登場! 新型コロナウイルスの流行は、なかなか出口が見えてきません。来ならば東京オリンピック開幕で盛り上がっていた時期のはずですが、こればかりはやむを得ません。 さてオリンピックのシンボルマークといえば、5色の環が絡み合った形であるのはみなさんご存知でしょう。このようにリングがつながりあった形の分子も知られており、「カテナン」と名付けられています。ラテン語で「鎖」を意味する「catena」から来ている言葉です。 実際の鎖を作るのもなかなか手のかかることですが、分子で鎖を作るのははるかに難事です。何しろ、実際に手で環をつなげるわけにいきませんので、当初はリングが2つ連結したものさえ合成は大変でした。 五輪マークのように5つの環がつながった分子が創り出されたのは1994年のことで、「オリンピアダン」と命名されています。分子同士の引き合う力を巧妙にコントロールした

    オリンピック分子集合体登場! : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2020/07/27
    タイトルからして笑う。水素結合がかみ合って美しい構造の安定化は環を作る原動力で、設計を完璧にすれば環に自己変化させて行けるのはわかるけどすごいわこれ
  • 「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館

    5月13 「C2」が合成された話 カテゴリ:有機化学構造 有機化学は、いうまでもなく炭素原子を中心とした化学の分野です。炭素は極めて奥深い可能性を持ちますが、やはり一つの元素を世界の化学者がよってたかって200年も研究しているわけですから、炭素だけから成る全く新しい化学種が出てくることは、今やそうそうありません。1985年に登場したフラーレンはその数少ない例の一つであり、だからこそ科学者は驚きと興奮を持ってこれを迎えたわけです。 しかし最近になり、「C2」という化学種がフラスコ内で作れることが報告されました(論文。オープンアクセスです)。東京大学の宮和範准教授、内山真伸教授らの研究グループによる成果です。今回はこの何がすごいのか、ちょっと書いてみます。 水素や窒素、酸素といった元素は、それぞれH2、N2、O2といった二原子分子を作り、これらはいずれも安定に存在します。しかし炭素の二原子分

    「C2」が合成された話 : 有機化学美術館・分館
  • 新型コロナ治療薬〜医薬を「転職」させる : 有機化学美術館・分館

    4月2 新型コロナ治療薬〜医薬を「転職」させる 最近はニュースもコロナ一色で、連日続く悪い知らせばかり見ていると、やはり気が滅入ってきます。その中で希望の光を見つけるとすれば、やはりワクチンや治療薬の開発でしょう。マイナビ薬剤師のサイトでも書きましたが(その1、その2)、両者ともかつてない勢いで研究が進行中です。 とはいえ、ワクチンは安全性試験や量産などに時間がかかり、最速でも来年初頭あたりまではかかってしまうと考えられます。では医薬はどうかといえば、通常の手順を踏んで一から薬を創り出そうとすると、普通の場合で10年、最低でも5年くらいはかかります。この切羽詰まった状況に、これでは話になりません。 ということで、現在盛んに行われている研究は、既存の医薬を新型コロナ用に使えないか調べるというものです。この方法であれば、すでに人体への安全性などはよく調べられていますし、生産方法なども確立されて

    新型コロナ治療薬〜医薬を「転職」させる : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2020/04/08
    こうして分子構造で見るとアビガンの分子はかなりシンプル・・
  • 日本の「国化合物」 : 有機化学美術館・分館

    1月27 日の「国化合物」 世界の国の多くには、その国を象徴する動植物が決められています。たとえば日の国花はサクラ、国鳥はキジ、国魚は錦鯉なんだそうです。国獣も決まっている国が多いのですが、日にはないようです。 このへんはご存じの方も多いと思いますが、たとえば「国石」もあることはあまり知られていないと思います。日の国石は水晶で、かつて良質の水晶を産したことからだそうです。 水晶(石英)の結晶構造 国蝶はオオムラサキで、これは1957年に日昆虫学会の総会で決められたのだそうです。何で蝶ばっかり、国蟻や国甲虫もあってもいいじゃないかという気もしますが、どうやらないようです。もし「国虫」を決めるなら、日の別名を「秋津島」というくらいなので、トンボにすべきではないかと個人的には思います。 国蝶・オオムラサキのオス(Wikipediaより) 2006年には「国菌」も決まりました。日醸造

    日本の「国化合物」 : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2016/01/27
    グルタミン酸ナトリウムの選出に納得。繊維とか高分子関連でこれに匹敵するものも思いつかないしなあ……
  • 最大の芳香環 : 有機化学美術館・分館

    7月12 最大の芳香環 カテゴリ:有機化学芳香族 有機化学において、「芳香族性」という概念は非常に重要です。π電子が(4n+2)個集まって環を成すと、全体が安定化するというもので、6員環のベンゼンはその典型です。 ベンゼン さて、その(4n+2)のnを大きくしていくとどうなるか?たとえばn=3の14員環を炭化水素で作ると、あまり安定な芳香環にはなりません。光や空気の影響を受け、室温ではすぐ分解してしまいます。環の内側の水素が反発して、分子全体が平面性を失うため、理想的な共鳴状態から外れるためです。n=4の18員環になると、十分なサイズがあるため平面性を保つことができ、芳香族性を示すようになります。 [14]アヌレン(左)と[18]アヌレン(右) とはいえ、環のサイズが大きくなってくると、全体として歪みやすくなり、安定性は低下してきます。そこで小さな環を組み込んでやれば分子は丈夫になり、安定

    最大の芳香環 : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2015/07/12
    「「Further attempts to realize much larger aromatic expanded porphyrins are in progress in our laboratory.」(意訳:まだまだ行くでぇ!)」翻訳が的確すぎて噴いたw
  • 安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館

    5月25 安息香酸のこと 某ミュージシャンの覚醒剤使用騒動に伴い、「アンナカ」という言葉がマスコミに流れるようになりました。アンナカは「安息香酸ナトリウムカフェイン」の略称ですが、単独の化合物名ではありません。興奮剤であるカフェインに、溶解性を上げるための安息香酸ナトリウムを混ぜたもので、これ自体は別に違法なものではありません。処方箋さえあれば販売可能ですが、最近ではあまり使われない医薬品のようです。ただし昭和の時代には、覚醒剤の混ぜ物あるいは代用品として出回ったことがあるとのことです(参考:弁護士小森榮の薬物問題ノート) カフェイン このニュースを見た人から「安息香酸って不思議な名前だけど、なんだろう」という声があったので、ちょっとその話を書いてみます。化学者にとってはおなじみの名前ですが、由来を知っている人は少ないのではないでしょうか。 安息香酸の構造は下図に示す通り、ベンゼン環にカル

    安息香酸のこと : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2014/05/26
    安息国から来てたとは知らなかった……
  • STAP細胞の「不正」とは何だったのか : 有機化学美術館・分館

    4月11 STAP細胞の「不正」とは何だったのか STAP細胞の騒動が世間を揺るがせています。特に4月9日、小保方晴子氏が久方ぶりに姿を表し、記者会見を行ったことで、騒ぎは最高潮に達した感があります。 ブログではこの件に関し、今まで何も触れてきませんでした。専門外でもありますし、あまりよい話題でもないですし、筆者は他人の不正をあれこれ論評できるような偉い人間でもありません。 ただ、9日の会見を見て、「小保方氏の発言に納得した」「彼女の言うことを信じた」という人が多数派であったのには驚きました。ネットでのアンケートでもそうですし(※)、テレビ番組での調べでも、6〜7割の人が小保方氏を支持するとの結果が出ていました。これはずいぶんとずれが生じているかなと感じたので、思い切ってこの件について書いてみます。 (※)4月12日現在では投票結果が逆転し、「納得できなかった」が多数派となっているようで

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    timetrain 2014/04/14
    そりゃニセ科学が流行るわけだと絶望的な心境になってる
  • ベンゼン環を引きちぎる : 有機化学美術館・分館

    1月18 ベンゼン環を引きちぎる カテゴリ:有機化学 よく「亀の甲」などと呼ばれるベンゼン環の正六角形構造は、有機化学の象徴と呼ぶべきものです。グラファイト、PETなど身近な物質、フラーレンやカーボンナノチューブといった先端炭素材料も、このベンゼン環の安定性を基礎に出来上がっています。一面で、PCBやダイオキシンなど、環境中からなかなか消えてゆかない有害物質の頑丈さも、このベンゼン環の安定性に由来するものです。 PCB(上)とダイオキシン(下)。いずれも一例 ベンゼン環の持つこの安定性は、6つの炭素が持つπ電子が共鳴し、全体に行き渡って(非局在化)いることによります。図の上では単結合と二重結合が描いてありますが、実際には全てのC-C結合は1.5重結合というべき等価なものになり、安定化しています。この効果こそが、有機化合物の世界を格段に幅広く、奥深くしているといっていいでしょう。 ベンゼン

    ベンゼン環を引きちぎる : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2014/01/19
    聖杯とか円環とか、化学を知っててなおこの厨二臭さにくらくらする
  • C60に原子はいくつ入る? : 有機化学美術館・分館

    10月26 C60に原子はいくつ入る? カテゴリ:炭素材料 「内包フラーレン」という物質群があります。炭素が球状に集まった分子・フラーレンの内部に、他の原子が取り込まれた化合物のことで、だいぶ以前に館の方で取り上げました。 内包フラーレンの一例、Sc3N@C80 内包フラーレンは、いろいろな方法で作られます。金属元素とグラファイトを一緒に蒸発させ、生成時に取り込ませる方法が最も普通です。また、高圧の各種気体にフラーレンをさらしておくと、内部に気体分子が取り込まれる、という手法もあります。こちらで、ヘリウムからキセノンまでの希ガス各種、窒素分子などが取り込まれたフラーレンC60が得られています。2つ以上の原子を取り込んだ、He2@C60や、HeNe@C60なんてものも得られているそうです。 また京都大学の小松紘一・村田靖次郎らのグループは、有機合成的手法を使ってフラーレンに穴を開け、中に小

    C60に原子はいくつ入る? : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2013/10/27
    つくづくフラーレンは浪漫だわー。どんな物性が出るのかということも含めて楽しみでしょうがない
  • 小さなダイヤモンド・アダマンタン : 有機化学美術館・分館

    7月16 小さなダイヤモンド・アダマンタン 分子の「かたち」フェチとしてここまでやって来ました筆者ですが、「好きな分子」をいくつか挙げるなら、やはりアダマンタンは入って来ようかなと思います。炭素の正四面体構造から自然に導き出されたシステム、自然の摂理的なものが感じられる分子というところでしょうか。以前も一度このブログでも取り上げていますが、ちょっと資料を手に入れたので再度まとめてみます。 アダマンタン チェコスロバキア産の原油からアダマンタンが最初に発見されたのは、1933年のことです。C10H16という分子式、ダイヤモンドの構造の一部を切り出した分子であることが判明し、アダマンタンの名がつけられます。1941年、初めての人工合成に成功したのはV. Prelogで、全収率は0.16%と低いものでした。余談ながらこのPrelog教授は、15〜6歳の時に初めての論文を書いた早熟の天才で、197

    小さなダイヤモンド・アダマンタン : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2012/07/21
    これが極小の世界だということを忘れるくらい美しい構造。
  • プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館

    4月12 プロセス化学のこと プロセス化学と呼ばれるジャンルがあります。これは実験中にドロップキックやダブルアームスープレックスなどを繰り出すというものではなく(それはプロレスです)、医薬品などの化合物の大量供給法を確立する研究を行う分野です。作り出された化合物は、臨床試験や市販薬として、実際に人の体に入っていくことになります。なので筆者は、近著「創薬科学入門」で、「プロセス化学は創薬科学と社会をつなぐ架け橋である」と表現しました。 しかし架け橋となる研究であるだけに、プロセス化学には独特の苦労がつきまといます。実験室で作る化合物はだいたいミリグラム単位、多くてもせいぜい数百グラムです。経験した方ならおわかりの通り、自分で作るとなると数段階・数十グラムでも相当に気を遣い、納期の決まった仕事ともなると精神・肉体ともにヘトヘトになるくらいのものです。 しかし、プロセス化学で作る化合物は、数百キ

    プロセス化学のこと : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2012/04/13
    かのメルクインデックスの会社の中身は正真正銘のプロフェッショナルだった……
  • 有機化学美術館・分館:漆山 智之氏の”「DMHO」の正体と悪魔の証明”という記事について - livedoor Blog(ブログ)

    日、帰りの電車内でツイッターを眺めていたら、偶然こんな記事が目に入りました。「言論プラットフォーム アゴラ」に掲載されていたブログ記事です。 「DMHO」の正体と悪魔の証明 --- 漆山 智之 アゴラ編集部 / 記事一覧 DMHO(dihydrogen monoxide)という化学物質があります。この物質の特徴は以下の通りです。 (1)酸性雨の主成分である (2)強い温室効果を持ち、地球温暖化の原因となっている (3)高レベルのDHMOにさらされることで植物の成長が阻害される (4)末期ガンの腫瘍細胞中にも必ず含まれている (5)固体状態のDHMOに長時間触れていると、皮膚の大規模な損傷を起こす (6)多くの金属を腐・劣化させる (7)自動車のブレーキや電気系統の機能低下の原因となる この物質は日中の工場で冷却・洗浄・溶剤などとして何の規制もなく使用、排出され、

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    timetrain 2012/02/02
    DHMOの出典がこことは知らなかった。そしてこのお方ならと納得した。
  • 健康と酵素(エンザイム)のこと : 有機化学美術館・分館

    1月23 健康と酵素(エンザイム)のこと いろいろなものが次々に流行し、移り変わりの激しい健康業界ですが、最近のキーワードはどうやら「酵素」であるようです。酵素がらみの商品は、品・ドリンク・化粧品・風呂などに至るまで広がっており、胃腸機能・神経痛・筋肉痛・冷え性・肩こりの改善、デトックス・ダイエットなど様々な効能が謳われています(まあ何にでも効くと主張するものというのは、実際にはたいてい何にも効かないとしたものですが)。 しかし、この健康業界でいう「酵素」という言葉は、どうも来の意味からだいぶ外れ、妙な使い方をされるようになっています。まあ不正確というだけならさほどのことでもありませんが、それがトンデモ商法に結びついているとあらば少々問題にすべきでしょう。そしてこの「酵素」は困ったことに、一部の医師などにも信奉者を獲得し、着々と勢力を広げているようです。 来、酵素という言葉は「生体に

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    timetrain 2012/01/23
    「ダイエット美容健康その答えの鍵が酵素にあると気づいた時、なんだか不思議な安心感につつまれたの。なるメッセージも出てきます。包まれてなくていいから生化学の教科書でも読んでくれ」
  • スライムの青のこと : 有機化学美術館・分館

    12月1 スライムの青のこと さて昨日からツイッターなど眺めておりますと、どうやらこいつが大人気のようであります。 ずどーん。 ドラゴンクエスト発売25周年を記念した、ファミリーマート限定で売っている「スライム肉まん」なのだそうです。実は筆者はドラクエなるものを一度もやったことがなく、この形態を見ても何の感興も呼び起こされないのでありますが、まあかつてやりこんだ方々にはたまらない商品なのでありましょうね。 しかしこの商品、色が普通の肉まんにはあり得ないスカイブルーです。青ってのは基的に欲を失わせる色なんだそうですが、まあこの場合やむなしでしょう。しかしこの色を何で出しているのか、化学者としては気になるところです。青色1号か何かかなと思ったら、「合成着色料を一切使用しておりません」とのことです。天然由来のものってことですね。 青色1号。いかにも人工な構造。 実は生物界にあって、青という色

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    timetrain 2011/12/01
    茶のしずくの「天然由来」と同じ怖さを感じる。
  • 中国語の化合物名(2) : 有機化学美術館・分館

    7月23 中国語の化合物名(2) さて化学&漢字フェチたる筆者にとって大変萌える企画、中国化学用語講座パート2。見慣れない漢字続出でだいぶヒートアップしています。パート1の元素名とかよりさらにマニア度が上がってますが、気にしない方向でひとつ。 芳香族にはひとつひとつ漢字が当てられているという話をしましたが、こんなものにもあるのですね。トロピリウムとかアセナフテンとか、めったに見かけない環にもしっかり字が決められてます。個人的に驚いたのはシクロペンタジエニルアニオンの「茂」。なんかよく見る字なんですけど。てことでフェロセンは「二茂鉄」なんだそうです。次回からフェロセンを見かけたら「しげる」と呼んであげましょう。 ではヘテロ環はどうか。こちらは部首が変わって口へんが当てられ、主要ヘテロ環には漢字2文字が振られています。基的に音訳ですが、「唑」の字はアゾールを意味しているようです。オキサゾール

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    timetrain 2011/07/24
    これは面白い「茂」とかもうw
  • あなたの周りのレジェンド研究者(2) : 有機化学美術館・分館

    6月13 あなたの周りのレジェンド研究者(2) さて前回に続きパート2、今回は特殊能力編と題してお送りします。 学部時代、研究室に遊びに来た先輩が、”ピリジンの2位が置換された化合物の臭がする” と。当時自分は2フェニルピリジンを使っていました。 これはわかる人にはわかるみたいですね。筆者も「枝分かれのあるカルボン酸のにおいがするなあ……」と言い当てた人物を知っています。 不斉反応をやっていた先輩は、生成物の匂いをかいで「70%eeくらいかな?」と言い当てていた。 こういう「前世は犬だったに違いない」と思える人もいます。 実験番号以外白紙のノートから実験内容を思い出せる先輩がいました。 何のための実験ノートだと思いますが、心眼か何かなんでしょうか。ただ、昔の実験ノートなんかを見てると、このころに何を悩んでいたかありありと思い出したりもします。そう言う意味でも実験ノートはしっかりつけるべし。

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    timetrain 2011/06/13
    最初の三つくらいは料理畑のことを考えるとありえなくないけど、終盤とんでもねぇw
  • 保護基をめぐる恐怖譚 : 有機化学美術館・分館

    2月19 保護基をめぐる恐怖譚 今回はちょっと趣向を変えて小咄、というか有機合成の専門家なら身の毛もよだつような恐ろしい話。以前どこかで見かけたものを、筆者がちょっと脚色したものです。 ================ 有機合成化学における最大の悪夢のひとつは、全合成の最終段階近くまで来て保護基が外れないという事態だろう。よくあるケースだが、ただこれだけのことで今までの営々とした苦労が全て水の泡になるのだからたまらない。さまざまな条件を検討し、必死の苦労を重ねてもダメな時はダメだからこの世界は厳しい。 ベンジル基という保護基がある。ヒドロキシ基やカルボキシ基の保護基としてよく使われる。もののによれば、各種の還元的条件で問題なく外れるとされている。しかし基質が複雑になってくると、どうにもうまく脱保護ができない時も少なくない。 A君もそのケースだった。数十段階を踏んだ全合成の最終工程、これさ

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    timetrain 2011/02/19
    ぎゃああああああ!!しかもそれだけの還元をやらかしたということは……助けて先生!他の立体構造部分も息をしていないの!
  • 対称軸を持つ分子 : 有機化学美術館・分館

    8月17 対称軸を持つ分子 有機化合物の世界は、構成要素が少ないのでシンメトリックなものが多く存在します。究極はもちろんフラーレンC60ですが、他にも美しい対称形の分子は数多く存在します。たとえば3回回転対称の分子ならアンモニア、4回ならポルフィリン、5回ならフェロセン、6回ならベンゼン、とこのへんまではいくらでも例を思いつきます。ではそれ以上になるとどうでしょうか? 7回回転対称という図形は自然界にもめったに存在せず、思いつくのはナスやシャクナゲの花くらいのものです。有機分子ではどうかといえば、トロピリウムカチオン(C7H7+)がそれに該当します。全体で6π電子系となるため芳香族性を持ち、比較的安定です。 トロピリウムカチオン 8回回転対称となるとどうか?いろいろありそうではありますが、わかりやすいのは「サルフラワー」分子でしょうか。チオフェンが8つ輪になったような構造で、「Sulfur

    対称軸を持つ分子 : 有機化学美術館・分館
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    timetrain 2010/08/17
    パラベンゼン環繋ぎはまだなんとなくわかるが、10員環はどうやって作ればいいか見当もつかない。これが常磁性体な理由がよくわからんけど見てみたいぞ。
  • 酒で超伝導を起こした話 : 有機化学美術館・分館

    7月28 酒で超伝導を起こした話 さて今回は「有機化学」という筆者の守備範囲から外れますが、あまりにも面白い話題があったのでそちらで一書いてみます。 今回の主役・赤ワイン 超伝導と呼ばれる現象があります。絶対零度近くの超低温で電気抵抗が全くのゼロになってしまう現象で、1911年にカメリン・オンネスによって発見されました。 その75年後、突如として世界を揺るがす発見がありました。スイスのIBMチューリッヒ研究所にて、ランタン・バリウム・銅の酸化物がかなりの高温で超伝導を示すことが発見されたのです。やがて組成を変えることによって転移温度(超伝導を起こす温度)はさらに高まることがわかり、世界中の物理学者に大フィーバーを巻き起こすことになりました。この功績により、発見者のミューラーとベドノルツは1986年のノーベル物理学賞を受賞しています。発表から受賞までわずか半年というのは空前の記録であり、今

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    timetrain 2010/07/28
    FeSeTe系。「試料を赤ワインに浸して70度に加熱したところ、この物質が超伝導を示すようになることを発見したのです。」そんなバカなー!純アルコールでは駄目で、白ワインとかならいけるとのこと。酒豪物質。