タグ

ブックマーク / magazine-k.jp (57)

  • 第3回 ブックオフを「戦術」的に考える

    をめぐる新しい秩序? 随分と連載の期間が空いてしまった。 私たちはブックオフという空間について考えてきた。ここまでの議論においてうっすらと見えてきたのは、ブックオフ的空間の特殊さだ。それは、これまでのをめぐる環境とは全く異なる秩序に支えられている。そんな推論を私たちは立てていた。覚えていらっしゃっただろうか。 ここから考えていかなければならないのは、では、この「ブックオフの秩序」というのは具体的に何を表しているのか、ということである。 残念なことに、今、それに応えることはできない。なぜならば、その問いに答えることこそが、連載の目的だからである。ここまでのパートはいわば議論のセットアップである。 ブックオフという空間には、どうもこれまでの書物とは異なる価値観が眠っているらしい。ではその価値観とは何か。おそらくいくつかのヒントは、過去2回分の連載で登場しているだろう。ただし明確にはわから

    第3回 ブックオフを「戦術」的に考える
    tinsep19
    tinsep19 2019/10/28
    戦術
  • 出版流通はなんでもありの変革期を迎えた

    「頭脳」がない。あるのは「身体」だけである。日の出版業界のことだ。 出版界が「業界」、すなわち、経営的に回っている状態にあるか、と言われれば、それは「否」と答えざるを得ないだろう。1996年以来の売上高の減少に対し、無為無策のままで進行していることがその証左である。曰く「出版は文化的事業であり、他の業界とは違う」。ええ、他の業界の人も「自分の業界は他と違う」と思っていますよ。 もはや業界として一般から「支持されていない」 取次の収支は公表されており、日販もトーハンも営業損益レベルでは実質的には赤字である。書店もまた多くは「苦しい、苦しい」の連呼である。では、業界三者の最後、出版社がもうかっているかといえば、経済産業省の特定サービス産業実態調査に従えば、近年はやはりこちらも赤字である。もちろん、個々の企業の凹凸はあるが、総体として主業だけでは「赤字」なのである。つまり、業界として一般から「

    出版流通はなんでもありの変革期を迎えた
    tinsep19
    tinsep19 2018/09/05
  • ロジスティックス革命と1940年体制の終わり

    「マガジン航」のエディターズ・ノートは毎月1日に公開することにしているのだが、今月はどうしても考えがまとまらないまま最初の週末を越えてしまった。理由はほかでもない、出版物流の限界がはっきりと露呈してきたからであり、それを前提とした出版産業の未来をポジティブに考えることが難しいと思えたからである。 取次自身が認めたシステム崩壊 出版関係者の多くが読んでいると思われる二つのネット連載が、この問題に触れている。まず小田光雄氏の「出版状況クロニクル」は6月1日の記事(第121回)で「新文化」(4月26日付)や「文化通信」(5月21日付)などが伝えた大手取次のトーハン、日販の経営者の生々しい発言を紹介している。 「出版業界は未曽有の事態が起こりつつある」(トーハン・藤井武彦社長) 「取次業は崩壊の危機にある」(日販・平林彰社長) こうした大仰な発言の背景にあるのは、取次という出版流通ビジネスの屋台骨

    ロジスティックス革命と1940年体制の終わり
    tinsep19
    tinsep19 2018/06/04
  • 第5回 デジタルで変わるマンガ家の仕事

    前回はデジタル化が編集者に及ぼす影響について考察したが、今回はマンガ家がデジタル化によってどう変わったのか、変わるのかについて考察してみたいと思う。一部、これまでとかぶる部分もあるが、ご容赦いただきたい。 制作支援ソフトがマンガ家を救う 1990年代半ばからのコンピュータの高性能化やネット通信インフラの整備は、マンガ家の仕事にも大きな影響を与えた。ひとつには、マンガの執筆道具としてコンピュータが使われるようになったことがあげられる。 奥浩哉が、2000年から「週刊ヤングジャンプ」に連載した『GANTZ』の背景にデジタル処理を用いるなどしたことが草分けとされているが、最大のエポックといえるのは、第3回でも触れたように、2001年にセルシスがマンガ原稿制作支援ソフト「コミックスタジオ」を発売したことだ。 それまで使われていたアドビの「フォトショップ」や「イラストレーター」などと比較して、使い方

    第5回 デジタルで変わるマンガ家の仕事
    tinsep19
    tinsep19 2017/10/11
  • 書誌情報の「脱アマゾン依存」を!

    去る8月25日、図書館蔵書検索サービス「カーリル」のブログに掲載された「サービスに関する重要なお知らせ」を読んで、驚いた人は多いと思う。この日のブログにこのような一節があったからだ。 カーリルでは、Amazon.com, Inc.が保有する豊富な書誌情報(のデータベース)をAmazonアソシエイト契約に基づき活用することにより、利便性の高い検索サービスを実現してきました。現在、Amazon.comよりカーリルとのAmazonアソシエイト契約が終了する可能性を示唆されているため対応を進めています。 Amazonアソシエイト契約の終了は現時点で決定事項ではございませんが、カーリルではこの機会に、Amazonのデータを主体としたサービスの提供を終了し、オープンな情報源に切り替える方針を決定しました。現在、新しい情報検索基盤の構築を進めておりますが、状況によっては一時的にサービスを中断する可能性

    書誌情報の「脱アマゾン依存」を!
    tinsep19
    tinsep19 2017/09/01
  • 『EPUB戦記』が伝える書物電子化への苦闘

    小林龍生さんの『EPUB戦記――電子書籍の国際標準化バトル』(慶應義塾大学出版会)はデジタルによる出版の黎明期を豊富なエピソードとともに伝えるものであり、また新しいの姿を探求してきた記録と、いまなお残る課題を示している。 書がカバーする期間は1980年代中頃から2016年初頭までの約30年間である。この時代は、の編集・制作と印刷の一部分でコンピュータが使われ始めてから、電子書籍というデジタル出版物の流通が格的に始まる時代として括ることができるだろう。 ところで、同じ小林姓なので小林氏と書くとどうも面はゆいので、以下、龍生さんと呼ばせていただく。私は龍生さんとは近い分野で仕事をしてきたので、何度もお会いしたり話をしたことはあるが、まとまった仕事を一緒にしたことはない。しかし、年齢もわずか1歳違いであり、書のエピソードを読みながら、大学卒業のころからこれまで、ああ、この頃、自分はこん

    『EPUB戦記』が伝える書物電子化への苦闘
    tinsep19
    tinsep19 2016/09/30
    小林龍生さんの『EPUB戦記――電子書籍の国際標準化バトル』(慶應義塾大学出版会)はデジタルによる出版の黎明期を豊富なエピソードとともに伝えるものであり、また新しい本の姿を探求してきた記録と、いまなお残る
  • 「無書店自治体を走る本屋さん」は、なぜ走る?

    の砂漠・北海道で社会実験 北海道では1998年を境に書店の数が減少の一途を辿り、現在、179市町村のうち約50の自治体が「無書店自治体(ゼロ書店自治体)」だ。市町村総数における「無書店自治体が占める比率」をみると、全国ワースト6位だが、北海道州と比べると広大な面積の自治体が多く、隣町に屋があったとしても車で1時間とか、峠越えとかが珍しくない。路面の積雪・凍結期ともなれば、いっそう移動がキツく、「の入手の困難さ」で計れば、おそらく全国ワースト1位だろう。 そうであっても公共図書館などで「まちのの保有量」が補完されていれば、まだ良いのだが、公共図書館設置率で全国ワースト3位、学校図書館の整備(新刊購入予算の措置率)で同ワースト2位となれば「の砂漠・北海道」という呼称もあながち誇張でなくなる。 「活字離れ」でもなく、「あらかたアマゾンに取って替わられた」わけでもなく、「電子書籍が市

    「無書店自治体を走る本屋さん」は、なぜ走る?
    tinsep19
    tinsep19 2016/06/16
    本の砂漠・北海道で社会実験 北海道では1998年を境に書店の数が減少の一途を辿り、現在、179市町村のうち約50の自治体が「無書店自治体(ゼロ書店自治体)」だ。市町村総数における「無書店自治体が占める比率」をみる
  • 英米のEブックを支えている読者は誰?

    真由美さま ご無沙汰しております。 谷さんのロンドン・ブックフェア・レポート「電子書籍の未来を握るのはインディー系」を読みました。私はエージェンシーが集まるフロアだけ、ちょこっと顔を出しました。ブックフェアを見るより、エレベーターを待っていた時間のほうが長かった気がします。 先月はロンドンのブックフェアに続いて、アメリカでもいちばん大きいブックフェアである「ブック・エキスポ・アメリカ(BEA)2016」がありました。今年は開催市がシカゴだったので私は行かなかったんですけど、この10年ほどずっと、出版業界の中心街ニューヨークで開催していたのを、久しぶりに他のロケーションに移してみたら、入場者は2割ほどダウンとのことです。 でも、これは仕方ないですね。私と同じで、オフィスのあるニューヨークでやってるならちょっと顔を出しに行くか、という出版人も多いけれど、シカゴとなるとどうしても足が遠のい

    英米のEブックを支えている読者は誰?
    tinsep19
    tinsep19 2016/05/26
    谷本真由美さま ご無沙汰しております。 谷本さんのロンドン・ブックフェア・レポート「電子書籍の未来を握るのはインディー系」を読みました。私はエージェンシーが集まるフロアだけ、ちょこっと顔を出しました。ブ
  • アメリカのインディペンデント書店が強いわけ

    真由美さま 卒業式も花見もないニューヨークは3月なんてただの冬の延長戦という季節で、いきなり夏時間になって1時間寝る時間を損した気になるのが春の風物詩ですが、いかがお過ごしですか? アメリカ当に書店が増えているのか?という話なんですが、閉店しちゃったり、オープンしたりを全部合わせて、差し引きした結果、アメリカ全土でこの5年で300店舗ほど増えてる、というペースなので、どこぞのアメリカの地方都市に住んでて「そういえば最近、屋が多くなったよね」などという感覚はまるでありません。 もともと、日みたいにはどこで買っても同じ値段で、売れなければ返せるし、放っておいても商品はどんどん取次が送ってくる、という商売ではないので、当にが好きで、商売っ気のある人にしか屋はできません。アメリカに行けば日人はみんな「思ってたほど屋さんがないなー」と思うはずです。 アメリカの書店の半世紀をふ

    アメリカのインディペンデント書店が強いわけ
    tinsep19
    tinsep19 2016/03/18
    谷本真由美さま 卒業式も花見もないニューヨークは3月なんてただの冬の延長戦という季節で、いきなり夏時間になって1時間寝る時間を損した気になるのが春の風物詩ですが、いかがお過ごしですか? アメリカで本当に
  • 本のワンソースマルチユース制作〜その理論・実践・未来

    はじめに 電子版の売上が増えるにつれて、印刷・製した(紙版)とEPUBを主とする電子版を同時に発売するサイマル出版が重要になる。筆者は2010年からWeb上で紙ののためのPDFとEPUBなどを一つの原稿からワンステップで作成する(ワンソースマルチユース)制作システム(CAS-UBという)を開発してきた。そしてCAS-UBを使って『PDFインフラストラクチャ解説』を執筆し、プリントオンデマンド書店と電子書店(Kindle ダイレクト・パブリッシング)より発売した。 書はB5判、268頁、図版(ブロック画像110個)と表(35個)、参考文献一覧(156項目)、索引(648項目)、多言語(文中にデバナガリ文字の組版を含む)、表中・行中画像(44個)を含む。書のPOD用PDFはカバーを除き、プログラムで自動的に作ったものである。KDP版はカバーを含めワンクリックで生成した。ここでは専門

    本のワンソースマルチユース制作〜その理論・実践・未来
    tinsep19
    tinsep19 2016/03/15
    はじめに 電子版の売上が増えるにつれて、印刷・製本した本(紙版)とEPUBを主とする電子版を同時に発売するサイマル出版が重要になる。筆者は2010年からWeb上で紙の本のためのPDFとEPUBなどを一つの原稿からワンステ... 続
  • 出版の「初心」を思い出すための3冊

    「マガジン航」は昨年4月より、発行元をスタイル株式会社に移しました。これにともない、誌は同社が運営する「WirelessWire News」「小さな組織の未来学」「IntelligenceDesigner」「考えるあかり」などと姉妹誌の関係になりました。それぞれ専門領域は異なりますが、今後はこれらのメディアとの連携企画を少しずつ始めていくつもりです(すでに大原ケイさんと谷真由美さんとの往復書簡「クール・ジャパンを超えて」が、WirelessWire Newsとのコラボ企画としてスタートしています)。 新しい年を迎えるにあたり、ささやな共同企画として、これら各メディアの編集者が「いま読むべき」3冊を挙げて紹介するというリレーコラムを始めました。すでにトップバッターとして「WirelessWire News」の板垣朝子さんが3冊を挙げてくれています(「資主義社会の次」に日が進むために

    出版の「初心」を思い出すための3冊
    tinsep19
    tinsep19 2016/01/25
    「マガジン航」は昨年4月より、発行元をスタイル株式会社に移しました。これにともない、本誌は同社が運営する「WirelessWire News」「小さな組織の未来学」「IntelligenceDesigner」「考えるあか... 続きを読む via マガジン航[kɔː]
  • 副次権ビジネスのすすめ

    真由美さま ご無沙汰してます。 先日はWirelessWire Newsの記事で私の「クール・ジャパンはどこがイケ(て)ないのか?」に言及してくださり、ありがとうございました。たいへん楽しく読ませていただきました。 “メイロマ”さんとは2009年にロンドン・ブックフェア会場近くのパブで初めて会ったときに1杯やりながら、とりとめもないおしゃべりをしたことを思い出します。あれからずいぶん時間が経ちますね。 あの記事にも書いたとおり、「日の悪口を書きまくっている人」みたいに言われる私たちですが、観光客としてではなく、あくまでも日人という立場で日海外を頻繁に行き来していると、どうしてもこの国の変に思えるところが目についちゃうんですよね。それをネット上で素直につぶやいてしまうと「うるせぇ、出羽の守が」とか「在外BBAはすっこんどれ」と叩かれてしまうわけです。 一方で、日人が自慢する「多

    副次権ビジネスのすすめ
    tinsep19
    tinsep19 2015/12/07
    谷本真由美さま ご無沙汰してます。 先日はWirelessWire Newsの記事で私の「クール・ジャパンはどこがイケ(て)ないのか?」に言及してくださり、ありがとうございました。たいへん楽しく読ませていただきました。 ... 続き
  • 東京カフェムーブメントと図書館カフェ

    盛り上がる図書館カフェ 図書館のカフェが注目されている。利用者としての印象もあるが、アカデミック・リソース・ガイドのスタッフとして関わっている公共図書館づくりにおける現場での実感としてより強く感じる。『ライブラリー・リソース・ガイド』12号の特集「カフェ✕図書館」冒頭のエッセイ「図書館コーヒーを飲んでもいいの?」にも書かれているが、図書館のカフェが注目される契機となったのは、やはり武雄市図書館のスターバックスコーヒーだろう[*1]。「いやいや、武雄市図書館の前から図書館にカフェはあったよ」とおっしゃる方もいると思う。それはその通りなのだが、それまで図書館に関心がなかったような人びとにも「スタバのある図書館」として認知されたことは、図書館におけるカフェムーブメントの新たな扉を開く大きな出来事であった。 武雄市図書館の企画段階で市民を対象にしたアンケートを行った時に、今後図書館に増えたらうれ

    tinsep19
    tinsep19 2015/11/09
    盛り上がる図書館カフェ 図書館のカフェが注目されている。利用者としての印象もあるが、アカデミック・リソース・ガイドのスタッフとして関わっている公共図書館づくりにおける現場での実感としてより強く感じる。
  • グーグル勝訴で浮き彫りになるフェア・ユースと著作権の問題

    グーグルの書籍電子化、著作権法に違反せず=NY連邦高裁」(ロイター)、「米高裁も書籍電子化認める著作権裁判、グーグル勝訴」(共同)といった見出しで第一報が伝えられていますが、グーグルの「ライブラリー・ブックスキャン」の上訴審で初審の判決を認める判決が10月16日に下りました。以下、判決文を読んだので詳細を説明してみます。 これはもともと2004年頃から、グーグルが国内外の複数の図書館と合意の上で蔵書をスキャンし、電子化されたデータを図書館側に渡す一方で、グーグル利用者がキーワード検索するとその言葉が載っているが全文検索で探せて、一部閲覧できる、Google Books Library Projectというサービスを始めたところから起きました。 2007年にこのプロジェクトに慶應義塾大学図書館が加わり、日語のも対象になったこと、そして一方で、図書館ではなく、出版社とパートナーを組んだ

    tinsep19
    tinsep19 2015/10/30
    「グーグルの書籍電子化、著作権法に違反せず=NY連邦高裁」(ロイター)、「米高裁も書籍電子化認める著作権裁判、グーグル勝訴」(共同)といった見出しで第一報が伝えられていますが、グーグルの「ライブラリー
  • 日本十進分類法のオープンデータ化に向けて

    図書館は、分類番号順に棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日図書館協会により大幅に制限されており、検索精度の向上や様々な分野での図書館データベース活用の大きな障害となっています。また、カーリルのような新しい事業者には多額のライセンス料とデータの再配布を制限する契約を要求する一方、従来からNDCを活用している事業者はライセンス料を一切負担していません。このような運用は公益社団法人としてふさわしいものではありません。 NDCは公共性の極めて高いプロトコルであり、だれでも、いつでも活用できるようにするべきです。これまでカーリルでは日図書館協会に対して再三にわたりオープンデータ化を要請してまいりましたが未だ実現しておりません。現在、図書館関係者有志によりND

    tinsep19
    tinsep19 2015/10/06
    図書館の本は、分類番号順に本棚に整理されています。このとき使われる分類規則、日本十進分類法(NDC)は、国内の図書館の事実上の標準となっています。 しかし、二次利用やデータ公開が公益社団法人である日本図書
  • 犯罪のメモワール出版はどこまで許されるのか

    1997 年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」で犯人とされた当時14歳だった男性が最近メモワール(手記)を書き、このたび商業出版物として刊行されるというニュースにはびっくりしました。 早速、これがもしアメリカだったらどういうことになるかをツイートしたところ、予想以上に反響が大きく、Togetter でもまとめられていました。ただ、最初の私のツイートには法律の専門知識に欠けるところがあった上、認識がまちがっていた部分もあったので、あらためて整理してみました。 最初に断っておきたいのは、私はアメリカの憲法修正第1条に謳われている「表現の自由」をとことん尊重するリベラルな考えを持つ人間だということで、同じ民主主義国家として、日でも表現・出版の自由は保証されて然るべきと考えています。 でもだからといって、誰のどんな発言も等しく守られていいわけではなく、ヘイトスピーチや、権力者によるハラスメントに価

    tinsep19
    tinsep19 2015/06/15
    1997 年に起きた「神戸連続児童殺傷事件」で犯人とされた当時14歳だった男性が最近メモワール(手記)を書き、このたび商業出版物として刊行されるというニュースにはびっくりしました。 早速、これがもしアメリカだっ
  • 音楽教育理数系編入論【後篇】

    現在もそう教えているなら、とんでもない話だが、僕が小中学校に通っていた頃には、J.S.バッハのことを「音楽の父」なんて教わっていた。 これは端的にいって嘘である。「音楽の父」とはつまり「西洋音楽の創始者」の謂いだろうが、バッハがそんな存在のわけがないことは、僕のようなアマチュア音楽愛好家でも知っているし、バッハ自身も知っている。 「西洋音楽の父」はピタゴラスである では当の「西洋音楽の父」は誰か。パレストリーナでもなければブクステフーデでもない。それはピタゴラスである。 ピタゴラスは一の紐を張って、びよーんと鳴らした(この伝説には、水を張った甕を叩いた、というヴァリアントもある)。ついでその紐を半分にして鳴らした。するとそれは最初の長さで鳴らしたときより、1オクターブ高かった。すなわち周波数比が2対1だったのである。いやむしろ「周波数比2対1の音程差を1オクターブとした」というべきだろ

    tinsep19
    tinsep19 2015/06/09
    現在もそう教えているなら、とんでもない話だが、僕が小中学校に通っていた頃には、J.S.バッハのことを「音楽の父」なんて教わっていた。 これは端的にいって嘘である。「音楽の父」とはつまり「西洋音楽の創始者」の
  • チーム・パブリッシングの可能性

    新しい自主出版プラットフォーム・サービスを目ざしている米国シアトルのBooktropeが、とりあえず120万ドル(目標230万ドル)の調達に成功した。その「チーム・パブリッシング」というコンセプトは、商業出版を(会社ではなく)インディーズ出版として実現する潜在ニーズにアプローチしている。 出版社なしの商業出版 Booktropeの共同創業者、キャサリン・シアーズ氏によれば、同社のアプローチは「チーム・パブリッシング」あるいは「ハイブリッド・パブリッシング」というコンセプトに集約される。基的には、E-Bookと印刷の編集・販促・流通に関するサービスを提供する。そして小規模なグループで売上をシェアするモデルを提供する。2013年のSeattle Angel Conference で第1位、GeekWire Startup Dayの最終選考にも選出され、20万ドルあまりのエンジェル資金を確保

    tinsep19
    tinsep19 2015/05/27
    新しい自主出版プラットフォーム・サービスを目ざしている米国シアトルのBooktropeが、とりあえず120万ドル(目標230万ドル)の調達に成功した。その「チーム・パブリッシング」というコンセプトは、商業出版を(会社では
  • Romancerがリニューアルして販売も可能に

    株式会社ボイジャーの提供している『Romancer』は、Wordファイルなどから簡単に電子書籍フォーマット「EPUB 3」のファイルが制作・公開できるウェブサービスです。それがこのたび、販売委託などの拡張サービスも提供するようになり、魅力的なセルフパブリッシング・プラットフォームに生まれ変わりました。 無料で利用できるRomancerの主な機能 無料で利用できる魅力的な機能としては、以下の2点が挙げられます。 電子書籍の世界標準規格で日語の縦書き表記などにも対応しているオープンフォーマットの「EPUB 3」が、Wordファイルなどから簡単に制作できる 「公開作品広場」で作品を無料公開でき、ブラウザビューワ「BinB Reader」を利用することで、特別なアプリ等がなくても誰でも簡単に読んでもらえる 制作ツールとしては、縦書き/横書きどちらにも対応しており、縦書き時2桁数字の縦中横指定、目

    tinsep19
    tinsep19 2015/05/13
    株式会社ボイジャーの提供している『Romancer』は、Wordファイルなどから簡単に電子書籍フォーマット「EPUB 3」のファイルが制作・公開できるウェブサービスです。それがこのたび、販売委託などの拡張サービスも提供す...
  • 電子雑誌トルタルのつくりかた(技術編)

    電子雑誌トルタルは、電子書籍の標準フォーマットEPUBを採用しています。 EPUBの制作環境はここ数年でずいぶんそろってきました。でんでんコンバーターやRomancerなど、無償で使えるのに高品質なものもあります。でも、トルタルではこういう便利なツールは使っていません。集めた記事のテキストをEPUBにまとめるためにRubyでプログラムを書いています。わざわざこんなことをしているのは、トルタルにはいろんな見た目の記事がたくさんあるからです。 トルタルの記事 トルタルのなかから、連載記事を4つ紹介します(「飯の種」「フランスのパン」「トルタルタルト」「the Room 1058」。クリックで拡大)。 記事ごとに、デザインが違います。 これらを含めて全部で20以上の、書き手もデザインも異なる記事がトルタルには詰め込まれています。制作するとき、一度に原稿がそろうことは当然ありません。順次作業しなが

    tinsep19
    tinsep19 2015/03/13
    posted by 小嶋智(ソフトウェアエンジニア) 電子雑誌トルタルは、電子書籍の標準フォーマットEPUBを採用しています。 EPUBの制作環境はここ数年でずいぶんそろってきました。でんでんコンバーターやRomancerなど、無償で使