本をめぐる新しい秩序? 随分と連載の期間が空いてしまった。 私たちはブックオフという空間について考えてきた。ここまでの議論においてうっすらと見えてきたのは、ブックオフ的空間の特殊さだ。それは、これまでの本をめぐる環境とは全く異なる秩序に支えられている。そんな推論を私たちは立てていた。覚えていらっしゃっただろうか。 ここから考えていかなければならないのは、では、この「ブックオフの秩序」というのは具体的に何を表しているのか、ということである。 残念なことに、今、それに応えることはできない。なぜならば、その問いに答えることこそが、本連載の目的だからである。ここまでのパートはいわば議論のセットアップである。 ブックオフという空間には、どうもこれまでの書物とは異なる価値観が眠っているらしい。ではその価値観とは何か。おそらくいくつかのヒントは、過去2回分の連載で登場しているだろう。ただし明確にはわから