「最近、このあたりからおっちゃんたちが、一掃されたんですよね」 人気のない広い公共施設のエントランスをぐるりと一周し、隅々まで目をこらした。駐輪場の端や建物の裏側などで暖をとっているおっちゃんがいないか、確認するのである。「おっちゃん」とはホームレスの人のことだ。 焼き鳥屋、居酒屋、百均ショップにたこ焼き屋。庶民的な店が軒を連ねる、大阪の中心部から歩いて20分の商店街。 週末の夜、安く飲ませる店の軒先はくつろぐ人たちで賑わうこの商店街から、脇に抜けた公共施設の前でのことだ。 現在、路上で暮らす人の数は全国に4555人(2019年1月、厚生労働省調査)。 病気、人間関係のトラブル、家族の介護などで仕事を失うことは珍しくない。現金収入が途絶え、家賃が払えなくなり、住む家を追われ、路上に居場所を求める —— 。それは誰にでも簡単に驚くほどあっけなく起こり得る。 そしてこの人は、路上生活に陥った人
MAKI NAKATA(マキ・ナカタ) [アフリカデザイン会社、Maki & Mpho LLC共同創業者・代表] Apr. 19, 2019, 05:00 PM キャリア 14,224 新入社員として入社した電通をやめ、アフリカビジネスに飛び込んだ女性がいる。 松﨑冬華(29)。彼女はDMM.com Groupが手がけるアフリカビジネスを担当する国際営業部の副マネージャーとして、2017年9月にDMM.Kenyaを立ち上げた。自らケニアに移住して、今美容事業や中古携帯販売事業などを手がけている。 松﨑が働くDMM.com Groupは2015年12月、事業部の1つとしてDMM.Africaを発足。「5年で100億円を投資」という目標を公表し、アフリカへの投資を開始した。 DMMの亀山敬司会長は一人旅でアフリカの数カ国をまわり、現地起業家や要人との出会いを経て、アフリカ市場への投資の可能性を
「定額でいろんな場所に好きなタイミングで泊まれればいいのに」 そんな夢を叶えようとしている企業がある。浅草のホステル運営をはじめ、空き家問題の解決や地方創生などに取り組むLittle Japanだ。 Little Japanを立ち上げ、現在代表を務める柚木理雄(みちお、35)は、元は農林水産省の官僚だった。官僚時代は国際交渉、経理、金融、農地、官民ファンドなどに関わってきた。 転機になったのは、東日本大震災だ。震災をきっかけに「戦略を書くよりも、現場で実際に事業をつくる人間が必要だ」と感じた柚木は、父の実家でも問題となっている“空き家問題”なら、自分ごと化して取り組めると考え、NPO法人・芸術家の村を立ち上げ、非営利で空き家問題の解決などに取り組んできた。 2017年に農水省を退官、Little Japanを設立し、企業として空き家問題の解決に着手した。 「起業の理由は2つ。1つは大学院生
スマートフォンを使った新しいサービスを思いついた。あるいは、これまでの営業経験で築いた人脈でビジネスを始めたい——。 こんな時、会社を立ち上げ、資金を集めて……という仕組みは確立されている。プロジェクトの中身は厳しく審査されるけれど、資金と経験を提供するベンチャーキャピタルもある。 では、マイナーなスポーツの選手として生計を立てたい、モデルや小説家になりたいという場合はどうだろう。あまり会社という仕組みとはなじまない。他の仕事でもしながら下積みを選ぶ人が多いだろう。 こうした個人の自己実現を支援するSNS「フィナンシェ」の試験運用が、2019年3月7日に始まった。 仕掛けるのは、東証一部に上場しスマホ向けのゲームを展開するgumiと新会社フィナンシェ。 多くの人に「いいね」と言ってもらう承認欲求を満たすSNSから、コミュニティで個人の自己実現を支援するSNSへの移行を促したいという。 自己
副業解禁に踏み切る企業が増える中、「副業を始めてみたい」と考える読者も多いのでは。 しかし、「副業に時間を割かれることで、本業に支障をきたすのではないか」と不安視する人や、そのことに懸念を示す企業が多いのもまた事実。 世間では「新しい働き方」とパラレルキャリアに光が当たっているものの、本音としては、副業でキャリアが拓けてくる可能性や本業との両立に懐疑的な思いを抱いている人が多いのではないでしょうか。 サイボウズは2017年1月、「複業採用」と称し、本業がある個人を柔軟な契約形態や働き方で採用する取り組みを発表しました。そこで採用されたのが、新潟県を拠点にセミナーや講演・執筆活動をしながら、NPO法人を運営している竹内義晴さんです。 竹内さんは、すでに個人として確固たるキャリアを築きながらも、複業採用され、「チーム」で働くことからこそ得られる学びや醍醐味を思い出したと言います。副業が個人のキ
経営者や事業責任者にとって、ビジネスをスケールさせ、利益を追求していくことは「責務」とされています。けれどもその方向性とは真逆のスタンスを取り、「売上増や多店舗展開は捨てている」と公言する企業が京都にあります。 株式会社minittsが運営している国産牛ステーキ丼専門店「佰食屋(ひゃくしょくや)」は、「本当に美味しいものを1日100食限定」で提供。社員たちは売り切って、就業時間通り、残業ゼロで帰ります。 さらに子育て中の人やシングルマザー、障がい者など多様な人材を正社員として登用し、時短勤務や有給休暇の完全取得など、まさに「超ホワイト企業」でありながら、2012年の開業から現在は京都市内に3店舗を構え、いずれも30分から2時間待ちと盛況を見せています。 「社員にとって働きやすい会社」と「会社として成り立つビジネスモデル」を両立させるような発想は、どのように生まれたのでしょうか。株式会社mi
日本がかつて高度経済成長を実現できた一因には、終身雇用など、企業のあり方、個人の働き方が固定的かつ安定的で、それゆえに従業員が迷わず一つの方向に向かって邁進することができた、という側面があったでしょう。ところが……。 時代の変化が激しい昨今、他ならぬこの「固定的かつ安定的であること」が、「柔軟でない。むしろ組織や個人から活力を奪っている」と、ネガティブに捉えられるようになりました。では、今の時代に合った組織や働き方とはどのようなものなのでしょうか。 組織にも働き方にも柔軟さが求められる、そのほうが活力が増すと言うのなら、いっそのこと「従業員ゼロ」という未来の組織像だってありえるかもしれない——。 そんなことを考え、「持たざる組織づくり」を実験しているのが、さくらインターネットの共同創業者で現フェローの小笠原治さんです。 人を雇わずにどこまでチーム力の高い組織をつくり、事業を推進していけるか
日本のVR/AR市場規模は、2020年には2111億円になると予測されている(ジェトロ調査)。市場の急成長を受けて、日本ではYouTuberならぬ人気VTuber(バーチャルYouTuber)が登場。そしてVTuber市場にはドワンゴ、グリー、サイバーエージェント、DeNAなど、メガベンチャーが続々と参入している。 そんな中、VR空間上で数千人が同時に参加できるイベントを開催するプラットフォームを開発する企業も登場。創業者は京都大学出身の29歳。「元引きこもり」という経歴を活かす。 「ただ移動が面倒くさかっただけ」 VTuberとは:主にYouTube上で動画を配信するキャラクターのこと。3DCGなどのアバターを使うことからバーチャルYouTuberと呼ばれる。 「cluster.(クラスター)」は、誰もがバーチャル上でイベントを開催できるプラットフォームだ。2017年5月、同社はエイベッ
不確実性の高い現代、いい大学に行き、いい会社に入って、出世して……というこれまで理想とされてきたキャリアのあり方が揺らいでいます。一方で、それに代わる選択肢を見つけだし、周囲に流されず決断し、行動することが難しいのも確か……。 そんな私たちに示唆を与えてくれる、一人の「少年」がいます。それが、現在12歳、この春から中学校に進学予定の中島芭旺(ナカシマ・バオ)さんです。 芭旺さんはわずか10歳のころに出版した、自身の考えを記した著書『見てる、知ってる、考えてる』が累計17万部を突破。 「物事に重さはない。ただ、その人が『重い』と感じている。ただそれだけ!」「『こわい』は、やりたいということ。やりたくなかったら『やりたくない』って思う。『こわい』ということは、やりたくないわけではない」 芭旺さんの言葉は海外の人たちの心にも響き、韓国、台湾、ノルウェーでも翻訳され、出版。その後、ドイツ、ベトナム
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