2002年当時に作成した読書メモ。 前半はこれまで様々な知識人が論じてきた戦争についての論議を総括している。ここに著者のオリジナリティはなく、読書感想文的な色合いが濃い。学術書というよりも戦争論を学ぶ人のための入門書といったところ。ただ、必要と思われる重要人物がほぼ網羅されているので、ここに出てくる人物の本を読めば、戦争観に関する勉強はかなり楽になると思う。強調は引用者による。 興味深いのは後半。冷戦後の内戦と、20世紀末の戦争の議論は、他の論者と違った視点もあって面白い。全体的に、クラウセヴィッツとベネディクト・アンダーソンに対する言及が多いのが特徴。 「戦争は政治におけるとは異なる手段をもってする政治の継続にほかならない。」(p3) クラウセヴィッツの『戦争論』からの引用。この本にはこういったかたちでの引用が数多くある。 戦争とは、政治、経済、文化等々がからみあっている歴史的な文明の構