11月30日時点ではAmazon総合ランキングでは5位に位置する『日本国紀』(幻冬舎)。4刷で、当初から指摘されていた男系についての誤った記述が訂正されていたが、その他箇所についての見解はいまだ発表されていない 「私たちは何者なのか――。」 何者なのでしょうね。 最近書店に行くと、しばしば入り口近くの棚に、このキャッチコピーが印字されたポスター等とともに「日本国紀」と書かれた白い紙の束が並んでいるのが視界に入ります。このキャッチコピーはおそらく読者への問いかけなのでしょう。しかし、今となってはこの紙の束を製作した方々の自問自答のように思えてなりません。 先の記事(「話題沸騰の書、百田尚樹著『日本国紀』を100倍楽しみ、有意義に活用する方法」)では、その紙の束が、作家百田尚樹氏による「日本通史の決定版」(帯文より)という触れ込みの著作物であるという前提のもと、その内容の矛盾や著者の知識の浅薄