■要旨 新型コロナウイルスが中国経済に与えた打撃の凄まじさが明らかになってきた。中国国家統計局などが公表した最近の経済統計を総点検したところ、1-3月期の国内総生産(GDP)は前年比年率では▲50%前後と、前代未聞のマイナス成長になりそうだ。その詳細を紹介したい。 1-2月期の工業生産は前年比13.5%減と19年通期の同5.7%増から一気にマイナスに転じた。製造業が前年比15.7%減、鉱業が同6.5%減、電力エネルギー生産供給が同7.1%減だった。PMIを見ても、2月の製造業は35.7%で1月の50%から14.3ポイントの急落、非製造業も29.6%で1月の54.1%から24.5ポイントの急落と、ほぼ全産業が大打撃を受けた。 需要面から見ても、1-2月期の小売売上高は前年比20.5%減と19年通期の同8.0%増から一気にマイナスに転じた。飲食が前年比39.7%減、自動車が同37.0%減、家具