自分の好きな自治体に寄付の形で税金を納める「ふるさと納税」。肉や魚といった特産品の特典が人気で、手続きが簡単になるなど制度が広がっている。ところが、ここに来て「地元市民限定」を掲げる街が出てきた。狙いは何なのか。 三浦半島の最南端、神奈川県三浦市は、ふるさと納税が絶好調だ。「マグロの町」として知られ、寄付の特典もトロの刺し身など、地元の三崎港で揚がったマグロづくしの品々を用意。人口減で財政難に苦しむ中、2014年度は全国から8191件、1億5千万円以上が集まった。 だが、特典をもらえるのは市外の人だけ。市はこの勢いを市内にも広げて歳入増を図ろうと、昨年7月、市民限定のふるさと納税制度「みうらっ子育成寄付金」の募集を始めた。 3万円以上だともらえる特典は、市民向けということで、市内の飲食店や自動車工場の利用券などをそろえた。寄付は子どもの教育事業などにあてるといい、14年度は17件、約76万