この国の経済財政の運営は、これが基礎になるわけかい。企業の場合、事業計画は、足元の数字を固めた上で、現勢なら目標をいつまでに達成できるか確かめる。これは基本中の基本だろう。足元がいいかげんで、黒字化の時期が不明という計画書を持って来ようものなら、そんな事業部長は無能の烙印を押される。7/25公表の「中長期の経済財政に関する試算」は、これに類するものとしか思えなかった。 ……… 本コラムは、「中長期試算」について、これまでも、かなり厳しい評価をしてきた。それは、経済財政を運営する上で、極めて基礎的かつ最重要の資料であり、その改善が日本経済の復活に必須と考えるからである。まあ、「愛の鞭」だね。そのせいか、今回は、一点だけ改善がなされている。それは、係数表に(注1)が追加されたことで、「国の一般会計の姿のうち、2013年度は決算に、2014年度は当初予算による」とある。 昨夏の「中長期試算」では