2008年。言うまでもなくリーマンショックの年だ。その後、「就職氷河期再来」という文字が何度もメディアにおどったし、「内定取り消し」「就活うつ」「就活自殺」などの問題も話題になった。最近では、内定率の改善、求人数の増加など明るい兆しも見えてきた。 さて、この5年間、本当はどれくらい就職難だったのだろう? このたび、ここ数年の新卒一括採用、就活をめぐる議論を整理しつつ、「常識」と「感情」をいったん手放して、本当は何が問題なのだろうかを整理した新作『「就社志向」の研究』(KADOKAWA)を発表した。不毛な議論に終止符を打つべく用意した私の「最終鬼畜兵器」である。 「常識と感情をいったん手放す」 最近、雇用・労働関連の本を書き上げる際に、私が注意しているポイントだ。先月発表した『普通に働け』でもこだわったポイントである。雇用・労働をめぐる報道は、いつも「かわいそうな話」によりがちである。そして