「入所者それぞれに個性がある」。相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で36年勤務した元職員、太田顕(けん)さん(73)は事件に怒りを募らせる。 1968年、開設5年目の時に赴任した。当時、入所者と一緒に外出すると、近くの大人や子どもが木陰に隠れることもあった。触れ合いが欠かせないと考え、入所者が小学校の運動会で駆けっこに出たり、施設の盆踊りに住民を招いて踊ったり。できるだけ接触する機会をつくった。 すると、地域の目は変わった。無断外出の入所者に気づいた人から「1人でいる」と連絡が入り、お茶に招いてくれる住民も出てきた。「地域の理解なくして施設は成り立たない。障害を知ってもらうことが理解につながると確信した」 3、4年がたち、表情やしぐさ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 この