「生きていると、『あなたにはこういう人間であってほしいんです』とか『あなたって人間はこうですよね』と掛けられる言葉がある。それが自分とはかけ離れていて、相手の理想も含まれた、勝手に想像して決めつけられた自分だとした時に……」 「抗ったり反発したりするのではなく、心の中で真っすぐに『自分はこうです』と唱えられるだけで、不思議と生きやすくなりますよ」 そう語るのは、堂本剛だ。土曜日の夜22時から始まる自身のラジオ番組と同じトーンで、静かに口を開く。 「若い頃は自分の心の声を聞く時間なんて与えられず、周りの期待に応えなければと、必死に過ごして苦しんでいましたから」 心を失くしたこともあったが、43歳となった今「だいぶ楽になりました」とほほ笑む。10代、20代を痛みとともに過ごした堂本はいかにして「しんどくない今」を手に入れたのか。 「何気ない言葉でも、いちいち傷つく自分にとっては、痛く響きました