2014-09-07 最近、一番とか二番目に美しいなと思ったもの その1 美しいもの 好きな街のひとつにベニスがある。初めて訪れたのは90年代半ばのベネ チア ビエンナーレ、世界各国のパビリヨンに国代表の現代美術作家が作品を 発表する祭典だ。一年ずれた隔年で建築の祭典もあるし映画祭も毎年あるが、 それらのイベントがあろうがなかろうがこの地は観光客でごった返している。 どこをどう歩いても路地、路地、路地。車の走らない中世のその街はいつも よそ者達で賑わってきた。土産屋が軒を並べるわけだ。ロングセラーの品は カーニバルの仮面やガラスでできたランプである。 二度目もまたビエンナーレの時だったが、現代美術そっちのけで食って寝 て飲んで恋にふけった。真夏の光(=灼熱)を遮るために窓という窓の閉ざさ れた薄暗がりの寝室に乳白色のガラス製のランプがぶらさがっており、その 下で夢心地という地を幾度となく訪