海の向こうから段ボールが自宅に届いた。送り主に心当たりはない。「何だろう」。いぶかしみながら箱を開けると、外で待ち構えていた警察が自宅に踏み込んできた。末端価格で1億円を超える量の覚醒剤を密輸したと疑われ、荷物を開けた男性は逮捕される。どうして男性は警察にマークされていたのか、本当に密輸に関わったのか。事前に逮捕予告がウェブ上に投稿されるなど「陰謀論」もささやかれた捜査の結末は――。 箱の中身は照明器具と… 捜査関係者らによると、男性は中国籍。貿易関係の仕事をし、西日本に住んでいる。4月19日、自宅にいると宅配便が届いた。米国から送られてきた段ボールだ。身に覚えがなく、すぐには開けなかった。米国在住の知人らに「誰か私に荷物を送った?」とSNS(ネット交流サービス)でメッセージも送った。この行動が、後に男性の運命を左右したとも言われている。 約30分後、中身を確認すると複数の照明器具が入って