欧州とアジアに住む現代人のゲノムにネアンデルタール人の遺伝子断片が存在することが明らかになってから、現代人類とネアンデルタールの交雑が、いつどこで起こったのかは人類史の重要な課題になっている。 5万年~6万年に交雑 私たち現代人類が欧州やアジアに分布し始めたのは5万~6万年前と考えられているが、当時ネアンデルタール人は世界中に広く君臨していた。 これまでの研究で、おそらく交雑は現代人類が中東から東欧に移る途中で起こったのではと考えられてきた。 ところがシベリアで発見された4万5000年前の現代人類の化石のゲノムに既にネアンデルタール人の遺伝子が存在しており、ネアンデルタール遺伝子の量から考えて、交雑は5~6万年前には起こっていたと分かった(4万5000年前の現代人のゲノム全解読http://www.mededge.jp/b/huap/4359)。 とすると、現代人類が中東からユーラシ