オー・ヘンリーが好き。オチがあるから。 レイモンド・カーヴァーは嫌いだった。 「火星年代記」(レイ・ブラッドベリ)が好き。オチがあるから。 「たんぽぽのお酒」(レイ・ブラッドベリ)は嫌いだった。 落語が好き。オチがあるから。 講談は嫌いだった。 「フォレスト・ガンプ」の回想シーンが好き。オチがあるから。 「イングリッシュ・ペイシェント」の回想シーンは嫌いだった。 論理学が好き。オチがあるから。 哲学は嫌いだった。 高校数学が好きだった。オチがあるから。 大学数学は嫌いになった。 でも。 最初は分子生物学が好きだった。オチがあるから。 でも、今は。 認知神経科学やシステム神経科学が好き。オチがないのに。どうしてだろう。 オチがある話は今でも好き。でも、オチがないのにいかにもあるように見せかけても、すぐわかる。ネタの拙さをリアクションでカバーし、その場の笑いを取る芸人と同じ。そのうち飽きる。つ