自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、岸田文雄首相が「政治資金改革」に意欲を示している。当然だと思う。ただ、この問題は「疑惑」段階から、ようやく「捜査」段階に入ったにすぎず、事件の全容は依然として不透明だ。 政治資金規正法違反となる収支報告書への「不記載、過少記載」は問われるとしても、それだけならば「現行の法令を守ればよい」という話で終わりかねない。やはり、ある程度の捜査の進展をみなければ、本格的な改革の方向性は見いだせないと考えておくべきではないか。 岸田首相とすれば、早急に「国民の不信感」を払拭し、苦境を脱したいところだろう。だが、ここは拙速を避けて、腰を落ち着けて、さまざまな意見に耳を傾けるところからスタートすべきではないか。 政治資金改革の議論にあたり、2つの視点を提起したい。 1つは、「カネのかかる政治からの脱却」を目指すあまり、「政治活動をしない政治家」がはびこる政