定年後の夫婦関係に戦々恐々としている人たちは多いのかもしれない。今まで見て見ぬふりをしてきた関係が、ふたりきりで向き合うことにより、どうしても浮き彫りになってくるからだ。 夫の定年退職が近づいてきて 今年の秋、9歳年上の夫が定年退職を迎えるというユウカさん(56歳)。結婚生活30年、夫は再婚、ユウカさんは初婚だった。 「前妻と死別した夫には、当時、6歳と4歳の子がいました。夫は私の上司だったんですが、子どもふたりを抱えて彼の母親と一緒に暮らしていたんです。ところがあるとき母親が急逝して、彼は会社を辞めるしかないのかと苦しんでいた。そんな彼に同情し、家が近かった私は手助けを買って出ました。彼が保育園や、それまで助けてくれていた近所の人たちに事情を話して私を紹介してくれ、手伝うようになったんです」 最初は同情から手助けをするだけのつもりだったが、彼から熱烈なアプローチを受け、ユウカさんの気持ち