厚生労働省が飲食店での牛の生レバーの提供を禁止してから約2カ月。「もう食べられないのか…」と生レバー・ファンの嘆きは深い。「食べる、食べない」を国が法律で規制することに批判の声も少なくなく、「これが前例となり、このままでは卵かけご飯も禁止されかねない」と、日本の“生もの文化”衰退に警告を発する細菌学の専門家もいる。(中井美樹)最終的には卵かけご飯も 「生レバーと同様に、菌で汚染されているものの提供を禁じるとなると、最終的には卵かけご飯に行き着くかもしれない」 こう指摘するのは、細菌学の分野から食の安全について研究している大阪府立大大学院の山崎伸二教授(51)だ。山崎教授は「極論ではありますが」と前置きした上で、「ベクトルとすれば、間違いなくそっちに向いている」と話す。 厚労省の食中毒統計によると、卵やその加工品による食中毒は、昨年1年間で5件発生し、生卵を食べた70代の女性1人が死亡してい