好事魔多し、とは、このことだろう。今国会の会期を戦後最長の95日間も延長したことによって、首相・安倍晋三は安全保障関連法案の成立、審議を尽くしたという「努力賞」、9月の自民党総裁選での再選という、3枚のカードを一挙に手にした。ところが、その3日後の25日、自民党の有志議員でつくる「文化芸術懇話会」で報道機関に圧力を加える発言が相次いだことが発覚。自民党は27日、会の代表である党青年局長・木原稔を役職停止1年、発言した衆院議員3人に厳重注意という処分を下さざるを得なかった。 何が起こったのか--。 総裁選も視野に入れた国会会期延長 9月27日までの延長幅を決めたのは、安倍本人である。自民党幹事長・谷垣禎一と官房長官・菅義偉が協議して安倍に提出した案は9月16日か同19日で閉じる案だった。 今年の秋は9月20日から23日まで4日連続の祝・休日があり、同19日の土曜日を含めると、5日間の休みが取