この10年、日本の携帯電話市場は主に“コンシューマー市場”が牽引してきた。1999年2月のiモード登場を皮切りに、メールやアプリ、写真付きメール、着うた(音楽配信)などコンシューマー向けサービスが矢継ぎ早に登場。その結果として、携帯電話は老若男女に幅広く普及したのだ。 しかし、2008年以降、コンシューマー市場が牽引する右肩上がりの成長は踊り場にある。販売方式の変更でユーザーは最新機種を気軽に買いづらくなり、買い換えを強く促す魅力的な新サービスもまた不在だ。AppleのiPhoneシリーズや一部のスマートフォンが新たな需要を喚起し始めてはいるものの、そちらへの移行需要が本格的に市場を牽引するのは、2010年後半から2011年度にかけてだろう。 そのような中で、「もうひとつの成長市場」として注目が集まるのが法人市場だ。とりわけモバイルソリューションや組み込み機器市場は堅実な成長が可能であり、