1号機から4号機まで、7つの核燃料をすべて冷却しないと、事態は収束しない〔PHOTO〕gettyimages 同位体塩素38が意味すること 運転中だった3つの原子炉に加え、4つの使用済み燃料プール—合計7つの核燃料が、コントロール不能の化け物のように暴走し、いまだ冷温停止へのメドさえ立たない。 1ヵ所を抑えてもほかが危機を迎え、そちらに傾注するとまた別のところから緊急事態が発生する。チェルノブイリ事故ともスリーマイル事故とも違う「フクシマ」の大問題とは、この「7頭の化け物」なのである。 大規模な爆発を起こした3号機に集中的に放水した結果、炉心を低温・低圧力に保つことに成功したが、今度は1号機内の炉心温度が上がり始めた。さらに、定期点検中で休止していた4号機の使用済み燃料プールからも、大量の放射線が漏れている可能性がある。 東京電力幹部はこう話す。 「社内では、楽観視する雰囲気はまるでない。