地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 報道の現場と人を各地に訪ね歩く「地方メディアの逆襲」。先の沖縄県知事選挙を機に「ファクトチェック・フェイク監視」を始めた琉球新報に迫ります。 県外出身記者たちの葛藤と責務 今年2月に刊行された『沖縄で新聞記者になる』(畑仲哲雄著、ボーダーインク刊)という本がある。元新聞記者で、現在は地域ジャーナリズムの研究者である著者が、琉球新報と沖縄タイムスの本土出身記者約20人に取材し、〈沖縄人ではない者が、沖縄で新聞記者になるとはどういうことなのか〉を深く考察している。 同書によれば、両紙とも本土出身記者の割合は約2割。ともに戦後まもなく創刊(復刊)し、発行部数も拮抗する両紙は、互いに強烈なライバル