ときに事件の犯人や行方不明者発見の決め手となる似顔絵捜査。大阪府警には全国でも珍しい似顔絵の専従捜査班「似顔絵係」が組織されていると聞いて興味を持った。取材を進めて感じたのは、防犯カメラの設置数や性能が向上する中、「カメラには映らない細部」までを描くことのできる似顔絵は、今でも事件解決に導く重要な力になることだ。 係をまとめる首藤(しゅとう)和正警部補(43)によると、捜査員は事件が起きるとすぐさま現場へ急行し、目撃者や被害者の記憶が鮮明なうちに犯人の特徴を聞き出す。完成した似顔絵を頼りに捜査班が捜索開始。「捜査員が犯人の特徴を描けるのは絵心があるからではない。『顔のひな型』を習得しているからだ」という。 例えば、日本人は比較的「団子鼻」が多いため、丸みを帯びた鼻をベースに描き始める。ほかにも目の横幅は顔の幅の5分の1、口の位置は鼻下と顎下の間3分の1など、捜査員はたたき込んだ「ひな型」に