なぜ一時代を築いた企業は破綻に至ったのか。日米欧25社の「倒産」事例を分析した新著『世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由』を上梓した荒木博行氏が全3回で3社のケースを読み解きます。 第3回は「マイカル」編。1963年、大阪で生まれた総合スーパー「ニチイ」がその前身です。1970年代、流通の主導権が百貨店からスーパーへと移る時代に業績を伸ばし、その後のスーパー冬の時代に失速した同社は1988年、「マイカルグループ」とその名を変え、安売りから生活づくり、街づくりへとコンセプトの舵を切ります。しかし大きく広げた風呂敷を畳み切れずに2001年、会社更生法申請に至りました。その道のりから、私たちが学ぶべき教訓とは? (本稿は荒木博行著『世界「倒産」図鑑』の一部を再編集したものです) ■「時間消費型」へと業態革新したイノベーター 1963年、大阪・天神橋筋商店街の「セルフハトヤ」、千林商