日本におけるフルCGアニメーション制作への理解と振興を目指す本連載。今回は、映像制作現場出身で立体映画にも造詣の深い、ジャーナリスト大口孝之氏にフルCG映画に対する思いを率直に語ってもらった。 聞き手:野口光一(東映アニメーション) ブランド志向の壁 東映アニメーション/野口光一氏(以下、野口):今日はよろしくお願いします。僕たちは今、国産の3DCGアニメーションを盛り上げようと、こうした連載に取り組んでいたりするのですが、長年にわたり国内外の3DCG制作をみてきた大口さんとしては近ごろの3DCGアニメーションについてどのようにお考えでしょうか? 大口孝之氏(以下、大口):フルCGについては、まずリアル系と非リアル(デフォルメ)系に大別されますよね。そして、後者についてはシンガポールやインド、中国、韓国といった地域の成長が著しいです。アジア勢と戦っていく上では、まともに戦うとコスト面で分が