被害者意識でつながる「論壇」 現在の保守論壇を支えるものとして挙げられるのは、「被害者意識による連帯」と「鉄砲玉としての女性・若者の利用」です。 『憎悪の広告』(能川元一・早川タダノリ:著、合同出版、2016年)が多数の図版を用いて示しているとおり、「正論」や「SAPIO」、あるいは廃刊した「諸君!」など、保守系のマスコミや論壇誌は、中国や韓国、北朝鮮、日本国憲法、ジェンダーフリー教育、フェミニズム、そして朝日新聞などの左派系のマスコミなどを、日本を壊す「敵」として煽るような言論を展開してきました。 我が国の保守系の言論は、「左派的なもの」への敵愾心(てきがいしん)を煽ることにより支持を集めてきたという経緯があります。 残念ながら、私が長い間展開してきた、若者論批判、ニセ科学批判もまた、そのような左派への敵愾心を煽る言説に荷担してきたと言わなければなりません。 こうした傾向は、ネット上にも