米国からお金が逃げ出す時代が来るのか 参考までに、ユーロと円に対するドルの相場を見ておこう。下の図は1999年からのドル相場の推移だ。赤が対ユーロ、青が対円のグラフである。 円に対するドル相場は一目瞭然。13年ぶりの円高・ドル安といっても、特にひどいわけではないことが分かるだろう。過去の相場を見れば、110円プラスマイナス10円というときもあったし、90年の中ごろには79円までいったこともある。しかし結局1ドル110円ぐらいのラインの上を行ったり来たりしているだけなのだ。現在は「割と安定した後、若干高い方に向かっている」といったところだが、長い目で見れば90年代の半ばをピークとして円は弱い方に向かっている。日本経済の方が米国経済よりもデモグラフィー(人口統計学)などから見て長期衰退の可能性が高いからである。 では、対ユーロはどうか。ユーロは発足以来ずっと安い時期が長く続いていた。しかし