仕事中の私語の扱いは難しい。多少の雑談は社員の息抜きにつながるが、業務が滞るほど頻繁な場合は、そのまま放置というわけにもいかない。もしも見過ごせないくらい私語が多い社員がいたら、会社は何らかの処分をできるのか?事例をもとに、社会保険労務士の木村政美氏が解説する。 「仕事に慣れた中途社員」の私語が目立つように… A部さん(30歳・女性、仮名=以下同)は、都内の大学を卒業後中堅広告代理店に就職、総務課で経理を担当していたが、実家の都合でUターンし、今年の4月から地方都市にある甲社(製造業・従業員数200名)の経理課で働くようになった。 経理課は以前から慢性的な人手不足で忙しい部署なので、A部さんが配属されてきたときはメンバー10人がこぞって歓迎した。特に経理課長であるB沢さん(以下「B沢課長」・男性)や、A部さんと同じ業務を担当するC中さん(30歳・女性)は、A部さんが早く仕事に慣れるようにと