アゾルカは顔に何か当たるのを感じて眼を覚ましました。 それは、細くて長くて赤い舌でした。目の前に大きなヘビがいました。 「おはよう!」 アゾルカはとても嬉しくなって元気よく言いました。 「やあおはよう。おまえはまだ生きてるんだな。そうすると毒を使った方がいいのかな」 「毒だって! そんなもの使わなくたって、僕は身動き出来ないよ。 君はヘビだね。ガジェットに聞いたことがあるよ。 細くて長くて、牙から出す毒で相手を動けなくするんだってね」 「首だけ角なしのキリンのくせに物知りだな」 「うん、母さんといる時は、地面に君みたいな動物がいるなんて 考えたこともなかったけれど、首だけになってから、いろんなものが見えてきたんだ」 「あちこちかじられてるようだが」 「ガジェットっていうハイエナや、ドレンさんっていうライオンに食べられたんだ。 ねえヘビさん、君の名前を教えて。それで、僕を食べるのなら、 そ