沖縄県石垣市と与那国町、竹富町からなる「教科用図書八重山採択地区協議会」が選定した育鵬社の公民教科書を、竹富町教委のみが不採択とした問題で、3市町の教育委員全員による協議が8日、石垣市内で開かれた。県教委の指導で採択のやり直しとなり、賛成多数で育鵬社が逆転不採択とされた。適正な手続きを踏んだ協議会の決定が覆されたのは、昭和38年に現行の教科書制度が始まって以来、初めて。民主主義のルールに反する決定といえ、波紋を広げそうだ。 石垣、与那国両市側は「3市町間の合意を得ておらず無効」と強く反発。与那国町側は育鵬社採択を維持する意向で、さらなる混乱が予想される。 3市町の教育委員13人全員が集まった八重山教育委員協会の臨時総会で、県教委はこの日の協議を新たな採択の場とするよう求めた。しかし、同協会は任意の親睦団体で、採択に関する法的権限はない。 このため適正な手続きに基づく協議会の決定通りに育鵬社