BPOによる業務品質向上の一例を示そう。まずは図3を見てほしい。日本の医師が書いた診断書のうち、経過を記す「所見欄」の手書き文字と、それを大連のオペレーターが読み取り文字データとして入力した結果だ。これは手書きの診断書から文字データを得る業務であり、太陽生命保険がインフォデリバに委託している。 見て分かるように、手書き文字は日本人でも判読が難しい。ところが大連のオペレーターは、これらを難なく判読する。読めない文字は月平均で7文字以下。これは26人のオペレーターの合計値であり、一人当たりで見ると読めない字は4カ月に1字程度しかない計算になる。誤入力も1万文字のうち平均94字しかない。オペレーターの日本語レベルは、読み書きができる程度。にもかかわらず、文字判読とデータ入力の訓練を重ねることで、ここまで成果を出す体制を築いた。 太陽生命はここで作成した文字データを、保険金の給付査定システムの入力