「公共のデータなんて使えないんじゃない?」とお考えの方も多くいらっしゃるのではないかと思う。確かに、公平性や平等性を重んじるお役所のデータは、個人のニーズを忘れてしまいがちで、仰々しさや素っ気なさを伴うことがある。けれど、いつも個人のニーズを考えている人たちが、お役所のデータを誰かのために使ってみようと考えると素晴らしいアイデアが生まれてくる。 例えば、ちょっとご紹介が遅きに失しているが、「オープンデータ・アプリコンテスト」でグランプリを獲得した博報堂アイ・スタジオの「花粉くん」は、その傑作の1つである。 使用しているオープンデータは、千葉大学医学部が患者の同意を得て提供する花粉症の統計情報と、環境省、気象庁、千葉県内の自治体やNTTドコモなどが提供する観測情報をウェザー・サービスが、コーディネーターとなって花粉症関連情報API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を提供する