16を読む 4-2. ダニエル・リベスキンドのドローイング4-2-1.『マイクロメガス』 本節では、前節チュミとほぼ同世代の建築家ダニエル・リベスキンド(1946-)のドローイングを取り上げる。彼もまたポストモダンの時代の建築家であり、「デコンストラクティヴィスト」として位置づけられる。しばしば「解体としての建築」とも呼ばれるダニエル・リベスキンドの建築においても、ドローイングは極めて重要な存在である。 彼は1979年のドローイング『マイクロメガス――終末空間の建築』によって鮮烈なデビューを飾った。これは10枚からなるドローイング集であり、それぞれ「1.庭The garden, 2. 時の断片Time sections, 3.漏洩Leakage, 4.小宇宙Little universe, 5.北極の花々Arctic flowers, 6.巣穴の法則The burrow laws, 7.
グラウンド・ゼロ計画コンペで採択されたダニエル・リベスキンドの案。今回はまずこのリベスキンドが一体どのような人物かを探るとともに、ユダヤ博物館を取り上げる。 リベスキンドは1946年、戦後のポーランドで生まれた。ベルリンからわずか数百キロ東のウッチという街だ。事実、ユダヤ人の家系であるリベスキンドの家族は、そのほとんどを戦時中ホロコーストによって失ったという。しかし彼の父はホロコーストを生き延び、リベスキンドは生まれた。自身の存在を自らの意志に関わりなく規定し、またこれからも規定し続けるであろうホロコーストの記憶は、彼のみならずすべてのユダヤ人に、またすべてのドイツ人に求心力を持ち続けるだろう。そしてそのような過去を生み出した「場」は、それを消し去ることなく内包したまま、現在、そして未来へと存在し続ける。現在に生きる我々は、どのように過去の記憶やそれを内包した空間に向き合い、その認識を現在
自らの建築そのものを提示する、サイト・スペシフィックな作品 《ダニエル・リベスキンド展》広島市現代美術館 日埜直彦 建築の展覧会なんてものはたいていおそろしく退屈なものだ。そもそも建築の図面というのは見て楽しいようなものではないし、ちょこんと置かれた模型は精密な工芸品のようにすました表情でとりつくしまもない。ハデなビデオ・プレゼンテーションも増えてきたが結局それらは建築に関する説明なのであって、プレゼンテーションの魅力が建築の魅力と重なることは稀である。最近大規模な建築の展覧会が多く催されてはいるが、そのなかで充実した印象を残している展覧会がいったい幾つあるだろうか。結局のところ建築の展覧会は建築そのものほど面白くないし、建築の展覧会を見ることは建築を見ることと根本的に違った種類の体験なのである。 ダニエル・リベスキンドはしかしみすみすその轍を踏むような建築家ではない。今回の展覧会はそれを
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く