「150年ぶりに、泉に除夜の鐘の音が響きます」。カオス*ラウンジ新芸術祭2017市街劇「百五〇年の孤独」と銘打った展覧会の主催者の一人、E君が前に言っていた。あまり唐突なので、最初は事態がよく飲み込めなかった。「住民への周知は?」「区長さんに話して了解をもらい、回覧チラシで知らせました」という。 大みそか、つまりきょうの真夜中、いきなり鐘が鳴り出したら、「何事?」と110番をかける住民がいないともかぎらない。同展実行委員会はそんなことも想定して、周到にコトを進めている。地元の人たちに自分たちの考えを説明し、納得してもらったうえで「市街劇」を展開しているのだ。こうした現実的な手続き、積み重ねを知れば応援しないわけにはいかないではないか、という気持ちになる。