● 母と子の息詰まる日常 生活保護で暮らすことは「悪」か? 生活保護制度の母子世帯は「働けるのに働かずに生活保護に甘える」という見方をされやすい。世帯主である母親の多くは、生活保護で「働ける年齢(稼働年齢)」とされる20~64歳。「働かない」「働けない」のどちらなのかはともかく、実際に働いておらず、さらに生活態度や子どもの振る舞いに少しでも「ツッコミどころ」があれば、透明な非難の矢が四方八方から飛んでくる中で、日常を送ることになる。 このような背景から、生活保護母子世帯の中には、時に、世帯全員の引きこもり(子どもは不登校)が見られる。 しかし、住まいに引きこもっていれば少しは安心できるというわけでもない。地域によっては、生活保護ケースワーカーからの「働けないのか」「もう少し稼げないのか」という圧力に晒され続ける。そういう地域では、母親が働くに至れない状況、背景への理解、目配りがなされること