2025年問題、報道されないリアルな世界 人口減と超高齢化社会 政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦氏が警鐘を鳴らす「2025年問題」を、 「これから10年間で、日本の人口は700万人減ります。15歳~64歳の生産年齢人口が7,000万人まで落ち込む一方で、65歳以上の人口は3,500万人を突破する。2025年の日本は、団塊の世代が75歳を超えて後期高齢者となり、国民の3人に1人が65歳以上、5人に1人が75歳以上という、人類が経験したことのない『超・超高齢社会』を迎える。」 と説明しておられます。 人口減は経済成長の足かせになることをを意味していて、超・高齢化社会加速は社会保障制度の疲弊を意味します。 疲弊ならまだしも破綻の危機があると指摘されています。 人口減に関しては、東京オリンピックが終わったあとでも現在と同水準の人口を維持できるのは、東京・神奈川・千葉・埼玉の首都圏と、愛知・沖縄
「戦後最長の景気回復」――。政府は1月29日、国内景気に関して華々しい報告と見解を示しました。景気回復の長さが6年2ヵ月まで持続。これまでの最長記録「いざなみ景気」を超えたとみられたからです。 【図解】景気回復が実感できない理由を示す統計データがこちら 一方でここへ来て、景気動向指数や月例経済報告などの景況判断は下方修正が続いています。「戦後最長の好景気は幻だったのではないか」という指摘も出てきています。 直近の世論調査(共同通信、3月10日発表)でも、8割が景気回復の「実感がない」と回答。経済政策の基準となる給与などの労働統計に不正が発覚したこともあり、景気に対する政府の見解に一般庶民のモヤモヤ感は増しています。 そこで、『アベノミクスによろしく』などの著書がある明石順平弁護士に、現在の景気と経済状況に対する見解を聞きました。 ――政府は、下方修正ながら依然として景気は回復基調にあるとし
過剰なほど「働く国民」 経済学者の井手英策氏が著した『幸福の増税論』は、財政社会学専門家による日本社会を分析した優れた書だ。 日本人は勤勉と節約を美徳とする。 江戸時代の二宮尊徳、石田梅岩らの、真面目に働き、質素に暮らし、倹約につとめるのが立派な生き方であるという通俗道徳が、戦前の総動員体制の中で、国家ドクトリンとされたとの指摘が興味深い。 〈勤労という文言がひろく世間に受けいれられたのは、アジア・太平洋戦争期のことである。 一九四〇年に閣議決定された「勤労新体制確立要綱」を見てみると、そこには「勤労は皇国に対する皇国民の責任たると共に栄誉」であると書きこまれていた。(中略) この「勤労しないものは非国民である」といわんばかりの極端な考えかたが政府によって示され、大勢の人びとが戦時体制に動員されていった。 ときには、学業やしごと、健康をも犠牲にしながら、人びとは国家的な強制労働に追いこまれ
1963年、福岡市長浜生まれ。1990年、東京理科大学大学院修士課程(物理学専攻)修了後、電機メーカで半導体デバイスの研究・開発に10年間従事。在職中より執筆活動を開始、2000年より著述業に専念。主な守備範囲はコンピュータ全般。2004年、運動障害が発生(2007年に障害認定)したことから、社会保障・社会福祉に問題意識を向けはじめた。現在は電動車椅子を使用。東京23区西端近く、農園や竹やぶに囲まれた地域で、1匹の高齢猫と暮らす。日常雑記ブログはこちら。 生活保護のリアル~私たちの明日は? みわよしこ 生活保護当事者の増加、不正受給の社会問題化などをきっかけに生活保護制度自体の見直しが本格化している。本連載では、生活保護という制度・その周辺の人々の素顔を紹介しながら、制度そのものの解説。生活保護と貧困と常に隣り合わせにある人々の「ありのまま」の姿を紹介してゆく。 バックナンバー一覧 「生活
世界第3位の経済大国でありながら、日本には高い貧困率という問題が存在している。7人に1人が貧困にあえぎ、1人親世帯では半数以上が貧困に苦しんでいる。 先進国の中で最悪のレベルに近い日本の貧困率 日本では貧困率のデータは3年ごとに調査されている。最新の数字は2015年に発表された15.6%。ひとり親世帯の貧困率では50.8%となっており、先進国の中では最悪のレベルに近い。 最新情報となる2018年の調査で改善されているかどうかが注目されるが、現実問題として賃金が増えていない状況では大幅に改善しているとも思えない。「有効求人倍率」は大きく改善して、業界や職種によっては人手不足が深刻だが、相変わらず正規社員と非正規社員との間には給与面での大きな溝がある。 今年の4月から実施される「働き方改革」いわゆる「同一労働同一賃金制度」が、どの程度賃金体系に影響を与えるのか。その結果を見守るしかないだろう。
よく「失われた30年」と言われますが、平成とは「あらゆるものが失われた時代」と呼べるかもしれません。とくに、未婚化の急激な上昇、つまり「夫婦が失われた時代」ということです。 50歳時点での平均未婚率を示す生涯未婚率が、2015年の国勢調査で男性23.4%、女性14.1%と過去最高記録となったことはご存じかと思います。が、30年前までの日本はほぼ全員が結婚する皆婚社会でした。1985年時点の国勢調査を見ると、生涯未婚率は男女とも5%にも達していません(男性3.9%、女性4.3%)。平成以降の30年間で男性は6倍、女性も約3倍に増えました。 未婚化、晩婚化が進んだ 未婚率の上昇を男女年代別に比較したグラフを見ていただきたいのですが、男性の場合は30~40代、女性の場合は20~30代の未婚率が最も増えました。アラフォー男性とアラサー女性が全体の未婚率を押し上げています。これは、未婚化だけではなく
「働き方改革」の旗を振る政府に対し「最低賃金を1500円に」と訴えるデモ行進。非正規労働者も多数参加し、格差解消を求めた=東京都新宿区で2018年2月、井田純撮影 貧困に陥り、抜け出すことができない「アンダークラス」の人たちは、明日の私たち--。社会学者の橋本健二・早稲田大教授(59)は、近著「アンダークラス--新たな下層階級の出現」(ちくま新書)で「現状を放置すれば日本社会は危機的状況を迎える」と警告する。【鈴木美穂】 日本社会は、もはや「格差社会」などという生ぬるい言葉で形容すべきものではない。それは明らかに「階級社会」--。2018年1月に出版された前著「新・日本の階級社会」(講談社現代新書)で橋本さんはこう指摘した。「労働者階級」が正規と非正規労働者に分裂して出現した下層階級の存在を可視化し、大きな反響を呼んだ。 アンダークラスとは、パート主婦らを除いた非正規労働者を指す。近著は、
通信社などの勤務を経て、フリーのジャーナリストに。1997年から日本の「ひきこもり 」界隈を取材。東日本大震災直後、被災地に入り、ひきこもる人たちがどう行動したの かを調査。新刊は『ルポ「8050問題」高齢親子〝ひきこもり死〟の現場から 』(河 出新書) 他に『ルポ ひきこもり未満』(集英社新書)『ひきこもる女性たち』(ベ スト新書)、『大人のひきこもり』(講談社現代新書)、『あのとき、大川小学校で何 が起きたのか』(青志社)など多数。TVやラジオにも多数出演。KHJ全国ひきこも り家族会連合会本部広報担当理事。東京都町田市「ひきこもり」ネットワーク専門部会 委員なども務める。YAHOO!ニュース個人オーサー『僕の細道』 「引きこもり」するオトナたち 「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそ
内閣府は3月29日、40~64歳のひきこもりの人が全国で61万3000人いるとの推計値を公表した。 「若年ひきこもり」とは別物…本当に必要な支援とは? 中高年対象の調査は今回が初めてで、2015年度の調査で推計した15~39歳の54万1000人を上回った。 調査は去年12月に実施。 40~64歳を対象に、全国の男女5000人のうち3248人から回答を得た。 内閣府は、「自室からほとんど出ない」や「趣味の用事の時だけ外出する」などの状態が半年以上続いている人を広い意味での「ひきこもり」と定義した結果、これに該当する人の割合は1.45%。 これにより、40歳から64歳でひきこもりの人は、推計で61万3000人に上ることが分かった。 調査では「年齢」や「ひきこもりになったきっかけ」などを尋ねていて、年齢の内訳は、「40代」が38%、「50代」が36%、「60代」が26%。 ひきこもりになった年齢
真面目で実直なサラリーマンの孤独死 特殊清掃、略して"特掃"――。遺体発見が遅れたせいで腐敗が進んでダメージを受けた部屋や、殺人事件や死亡事故、あるいは自殺などが発生した凄惨な現場の原状回復を手がける業務全般のことをいう。そして、この特殊清掃のほとんどを占めるのは孤独死だ。 拙著『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』では数々の孤独死事例を取材したが、最も衝撃を受けたのは、高齢者よりも、30代、40代も含む現役世代の孤独死のほうがより深刻だということだ。 孤独死現場の遺品などにおいて感じるのは、何らかの事情で人生の歯車が狂い、その場に崩れ落ちてしまった現役世代の姿だ。孤独死の8割を占めるごみ屋敷や不摂生などのセルフネグレクト(自己放任)は、"緩やかな自殺"とも言われている。 そんな過酷な特殊清掃現場に、日々向き合っているのが特殊清掃業者だ。 「うちにやってくる孤独死の特殊清掃の8割以上は6
知人が、突然会社を辞めることになった。 理由は「親の介護」。85歳の母親と同居していた弟さんが、昨年、他界。そこで「予定よりかなり早いリタイアになってしまったけど、最後の親孝行・・・」との理由から、決まっていた出向を断り、早期退職を決断したそうだ。 問題は彼の“弟さん”だ。私も全く知らなかったのだが、彼の弟さんは長年、家にひきこもっていたのである。 「弟はね、元気な子だったんだよ。僕なんかより社交的で、頭も良かった。いわゆる“エリート”。ところが30代後半に体を壊してから、人生の歯車がくるってしまった。そう、メンタル、やっちゃったの。 あの頃は長時間労働が当たり前の時代だったでしょ。だから本人はその時点で、自信をなくしてるわけですよ。脱落してしまったと思っていたんじゃないのかなぁ。 結局、復職もうまくいかず辞めることになった。それでも辞めて半年くらい経って、契約だけど以前の会社の関連会社に
中高年のひきこもりは、若者より多い ——。 内閣府が3月29日に発表したひきこもりの高齢化に関する実態調査で、40〜64歳までのひきこもり当事者の推計人数が約61万人と、40歳未満の約54万人を上回った。不登校と同様、若年層のイメージが強い「ひきこもり」だが、むしろ中高年の問題だという事実が浮き彫りになった。 なかでも中高年当事者の4分の1を占める一大勢力が、40~44歳の「ポスト団塊ジュニア」だ。彼らは「就職氷河期」の2000年前後に大学を卒業し、就活の失敗などを機にひきこもり状態となった人が多い。 だが、自治体のひきこもり支援策の対象者は、多くが「39歳未満」。40代の当事者が支援を受けられないままに年を重ねれば、親が死去したり要介護状態になったりした時、共倒れしてしまいかねない。 内閣府の調査によると、40歳〜64歳のひきこもり当事者の推計数は、部屋から出られない人から、趣味に関する
「もう、諦めるしかない」 中高年化する就職氷河期世代を追い込む“負の連鎖”:河合薫の「社会を蝕む“ジジイの壁”」(1/5 ページ) 生活保護に必要な追加支出は20兆円程度――。 これは今から11年前の2008年に、NIRA総合研究開発機構が報告書「就職氷河期世代のきわどさ」の中で、「氷河期世代がこのまま高齢化すると……」という前置きで示した数字です。 当時、就職氷河期に増加した非正規雇用者は、100万人を上回る規模で残存していました。低賃金かつ不安定。十分な年金が確保されない非正規雇用の人たちが高齢化すると、生活保護受給者が増えることが予想され、「20兆円程度の追加的な財政負担」が発生するという試算結果を提示したのです。 たまたま「就職時の景気が悪かった」というだけで非正規雇用になった氷河期世代は、既に40代に突入。彼らを救い出す実効性ある政策は行われないまま、“放置”され続けてきました。
なぜこんな事態に陥ってしまったのか? すでにバブル崩壊前から、中流消滅へ向けた動きは始まっていたと竹信さんは強調する。 「バブル当時の'80年代後半から、すでに円高回避のため海外へ生産拠点を移す日本企業が出現していました。産業の空洞化が水面下で進んでいたのです」 「日本スゴい」が非正規雇用を後押し '90年には株価が急落し始め、翌年からバブルは崩壊へ向かう。それでも『ジャパン・アズ・ナンバーワン』の声はこだまし、“日本スゴい”の空気は漂い続けた。同時に、そんなバブルをもたらした市場開放などの規制緩和も、成功体験として記憶されたのだ。 「そんな中、労働の規制緩和で経済危機を乗り切ろうとする動きが加速していく。まず'95年に、日経連(現・経団連)が正社員重視から非正規拡大へ転換を図る経営戦略を推奨しました。 '97年に山一證券などの破綻が相次ぐと、大規模なリストラを敢行。正社員も容赦なくクビを
先日、内閣府が40歳〜64歳の「中高年のひきこもり」について、はじめて調査を実施した。 その結果、中高年で「ひきこもり」状態にある人が全国で61.3万人いることが明らかになった。これは15〜39歳までの「若年ひきこもり」54.1万人(2015年度)を上回る規模で、衝撃的な数値だ。 調査によって改めて深刻な実態が明らかになった「中高年のひきこもり」問題。彼・彼女らの社会参加を支えるために、「就労支援」の必要性が叫ばれている。 しかし、「中高年のひきこもり調査結果」(2018年度)によれば、そもそも「ひきこもりになったきっかけ(複数回答)」は、仕事に関係する理由が多数を占めている。 最も多かった回答は「退職」36.2%であり、さらに「人間関係がうまくいかなった」21.3%、「病気」21.3%、「職場になじめなかった」19.1%と続く。 「ひきこもり」の一般的イメージとは異なり、「一度も働いたこ
先月の28日に、日本経済新聞の朝刊に掲載された「『氷河期世代』に能力開発を」という記事が、SNS上で軽く炎上した(webでは27日公開)。 内容は27日の内閣府の経済財政諮問会議で、氷河期世代は正社員でないため「能力開発や所得の壁」があることから、安倍晋三首相が「氷河期世代」の支援に、国を挙げて取り組むことを指示したことを報じたものだった。本年度の骨太方針に位置付け「能力開発」を国がサポートしていくらしい。 これに対して40代に突入した氷河期世代から、 「今さら? 遅すぎ!」 「もうとっくにブラック企業で使い捨てにされて壊れてるつーの!」 「親の介護も始まってんのにどうしろって言うんだ?!」 「教育以前にスタート切り損ねたらチャンスすらないんだよ!」 「国が支援策出すたびに厳しくなってるんだよ!」 「氷河期世代の問題? 自分たちは関係ないのかよ?」 ‥‥etc.,etc. 全くもってそのと
オックスフォード大学で日本学を専攻、ゴールドマン・サックスで日本経済の「伝説のアナリスト」として名をはせたデービッド・アトキンソン氏。退職後も日本経済の研究を続け、『新・観光立国論』『新・生産性立国論』など、日本を救う数々の提言を行ってきた彼が、ついにたどり着いた日本の生存戦略をまとめた『日本人の勝算』が刊行された。 この記事の写真を見る 人口減少と高齢化という未曾有の危機を前に、日本人はどう戦えばいいのか。本連載では、アトキンソン氏の分析を紹介していく。 ■「日本の常識」か「人口増加の常識」か 地価が上がるのは人口が増加しているから。インフレも人口増加がもたらしている。GDP(国内総生産)が成長する主因もまた人口増加。1990年代初頭まで神社の初詣のお賽銭も増加傾向だったそうですが、これもまた人口増加によるところが大でした。 戦後日本が経済的に他の国をしのぐ勢いで急激に成長したのも、その
毎月勤労統計の不正による「アベノミクス偽装」で、昨年の実質賃金のマイナス幅は公表値より下落することが判明。追い打ちをかけるように食品メーカーはこの春から怒涛の値上げラッシュと、庶民生活はますます火の車だ。その上、専門家は物価統計調査のデタラメを指摘。現実の実質賃金は統計の値よりも、さらに減少している恐れがあるというのだ。 日銀が昨年12月に実施した「生活意識に関するアンケート調査」によると、消費者が実感する1年前との物価上昇率は平均5%。中央値でも3%だ。先月実施の内閣府の「消費動向調査」では、今後1年間の物価上昇について「2~5%」と予想する人が38%と最も多く、「5%以上」の21%を加えると、約6割が2%以上の物価上昇を懸念している。 ところが、総務省の「消費者物価指数」だけが大きく下振れ。昨年12月の物価上昇率は前年比0.7%止まりだ。消費者の実感と総務省の物価統計が、ここまでかけ離
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く