友禅染の下絵描きに使われる滋賀県草津市特産の「青花紙」が、高齢化による生産者の減少に直面している。今年は2軒だけが紙を作っていたが、うち1人は今年限りでの引退を検討。「紙を作る技術を伝えていきたい」と後継者を求めている。 アオバナから取れる染料は色が鮮やかで水に溶けやすいことから友禅染に活用されてきた。青花紙は、搾った汁を和紙に塗って天日で乾かす工程を約80回繰り返して作る。使うときには小さく切って水に浸し、染料を溶かし出す。 かつて青花紙は地域の名産として知られ、最盛期の大正時代には500軒以上が生産していたとされる。しかし、アオバナの花が咲く7~8月の炎天下で花びらを一つずつ手作業で摘み取るため、地元では「地獄花」と呼ばれた過酷な作業や、化学染料が普及したことで、近年は数軒だけが手掛けていた。 生産者の1人、中村繁男さん(88)=同市上笠1丁目=は10歳のころから親の手伝いで花摘みを始
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く